Acronym - Dimensional Exploration 001

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  • 新レーベルDimensional Explorationの1枚目はストックホルム在住のテクノ・プロデューサーAcronymにとってもデビュー作となる1枚である。プレス・リリースの内容こそ乏しいが、このレコードのマスタリングはDonato DozzyとのVoices From The Lakeで知られる達人マスタリング・エンジニアNeelが手掛けており、にわかに期待を高めさせる。まさしくこの作品はディープ・テクノであり、DJのロング・プレイやヘッズの要求に耐えうる内容となっている。 Aサイドの"Amoeba"は10分を越える長尺トラックで、繊細なアトモスフェリックさや絶え間なく打たれるハイハット、リヴァーブ漬けになったダブ・スタブによって驚くほどのシンプルさを実現している。Bサイドの"Protista"でかすかに鳴らされるコードはEP全体でもいくらか印象の強さを残しているが、特徴的というよりはやや保守的すぎる音色であるようにも感じられる。他の2トラックにくらべてやや速いBPMが設定された"Eukariota"はEP中でも最もスリリングなトラックとなっており、そのビート・パターンはまるで漆黒の大地を機関車が駆け抜けるかのようだ。Acronymが一体何者なのかはいまだに多くは分かっていないが、デビュー作としてはなかなかの内容に仕上がっていることは間違いない。
  • Tracklist
      A Amoeba B1 Protista B2 Eukariota
RA