Ame - Erkki

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  • これは、ある特定のタイプのダンス・ミュージック・ファンにとってはキャットニップのようなリリースだ。Robert-Johnsonのレジデントで知られるGerd JansonとオランダのRush Hourが手を組み、Roman FlügelやMotor City Drum Ensemble、Tensnakeといったアーティストたちによる「非アンビエントの」アンビエント・コンピレーションを作ろうというのだ。この片面プレスのサンプラー・12インチは当コンピ中でも最もビッグネームだと思われるÂmeのトラックを収めたものだ。非アンビエントのアンビエントという抽象的なテーマのなか、このベルリン・デュオは見事な回答を出しているようだ。Innervisionsからの『The Grandfather Paradox』を思わせる抑制されたメロディを敷き詰めたそのトラックは、その整然と整えられた基礎とそこに載る奇妙な要素との対比が見事だ。どこか最近のStefan Goldmannが手掛けるピッチ・ベンディング的な実験性と共通するところもあるが、こちらはやはりÂmeの手掛けるトラックだけによりポップな感触だ。前述のコンピレーションにもこのように高品質なトラックが並ぶとしたら、そちらにも期待を持っても良さそうだ。
RA