Annechoic - Mythos EP

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  • Schizolectric、Annechoicが中心となり、本年よりスタートしたスペイン発のエレクトロレーベルAudiofugitives。エレクトロといっても一言で括ってしまうのは失礼にあたるほどの多様性を持ちえたリリースをこれまでの2タイトルで展開してきている。3作目となるはAnnechoicによるソロEPだ。 ダークエレクトロ"Doctrine Of Ethos "そして"Always Late"ではエコーエフェクトがかけられたブリープ音、ボトムが効いたキックを縫うように挿入される荒々しいアシッドベース、そしてシンセ音の抜き差しにより全体の構成が成り立っている。凝った展開は無いながらもダイナミックなうねりを生み出せるのは各パートを的確に引き立てるミキシングバランスの妙だと言える。このEPに一際ディープな側面を付け加えているのが"Hades"。中域および高域で使用される音がかなり抑え、モノトーンでミニマルな印象。このトラックにおいても同系統のベース音が使用されているが、ゆるやかに音程をさせることで、よりラフな質感を作り出す技巧ににやりとさせられる。続く"Uncertainty"、16分シーケンスで組み上げられ、徐々に音色を変化させていく低域リフが作り出すブレイクポイントでは、フロアに居る多くのオーディエンスが引きずり込まれていく光景を想起させられるほどのトリップ度を内包している危険度の高いトラックだ。 そしてピーク後の空気を醸し出す"A Different Way"と静寂を迎え入れる"Looking For Your Gaze In The Stars"の2曲へとつながっていくことで、このEPに収録された6曲がクラブでの時間の流れと強くリンクしたDJツールとして機能し得ることに気付くだろう。 聞き込む程にこのEPには柔と剛の両側面のグルーヴが試みられていることを感じることが出来るのではないだろうか。
  • Tracklist
      A1, Doctrine Of Ethos A2, Always Late A3, Hades B1, Uncertainty B2, A Different Way B3, Looking For Your Gaze In The Stars
RA