Tyler Friedman - Revolve

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  • カリフォルニア出身のTyler Friedmanはこのデビューシングル「Revolve」で新たにKontra-Musikクルーに加わったニューカマーで、続いて10月には2枚目のシングル「Night in the Woods」が連続リリースされる予定だ。去年の秋、Friedmanと何度かメールをやり取りしたことがあるが、その時期彼はまだ複数のレーベルにデモを送っている段階だった。当時、彼はRicardo Villalobosの長尺なトラック構成に興味があると語っていて、「そのジャンルの最も明らかな文法を崩さぬまま、より長尺な展開を目指したい」と言っていた。もちろんそれは決して簡単なタスクではなかっただろうが、この作品で彼は見事にエレガンスと驚きを込めて実現してみせている。 "Revolve"での低く流れるような丸いパーカッションには確かにVillalobosからの影響を感じ取ることが出来る。ハンドドラムやひび割れたブラシにはShackleton的なエスニックさも感じられる。9分半にもおよぶそのトラックは独自のロジックで展開し、不安定ながらも活き活きとしたリズムはやがてピッチ変化するリード・シンセやSeefeelの「Succour」を思わせるアンビエンスをともなって展開していく。Bサイドに収録されたJonsson/Alterによるリミックスはオリジナルよりも少しだけフロアーにフォーカスした内容で、淀みないファンク・ベースラインと溶けたようなサイレンを上手く調和させ、11分にわたってセクシーにうねり続け、行くあての無い展開をひたすらに続けていく。
RA