Mese - Untitled

  • Share
  • BPM170の領域でミニマルダブの手法を独自に推し進めてきたHidden Hawaii。これまでにも多くのサブレーベルを展開してきたが、本作のHidden Hawaii SubではBPM120〜130のトラックが中心にリリースされているようだ。A1はフィルターの開閉によりピッチが1音1音周期的に変化をしながら打ちつけられるリムショットが特徴的なミニマルガラージだ。このリバーブがかったリムショットによる中域とアタック感のある野太いベース音がキックとしても機能している低域により曲の屋台骨が作り上げられている。ベース音の抜き差しと数種のシンセ音とパーカッションのみに展開は止められ、それゆえに際立つ音そのもののテクスチャーとその変化が見事に生かされている。A1がリズムに重点が置かれていたとするのであれば、B2はふんだんにリヴァーブ、ディレイを使用し深淵な世界観を生み出しているシンセ音とサンプリングボイスがより全面に出てきている印象を受ける。幾重にもレイヤーされ厚みを増していくサウンドにより、陶酔感を生み出す。使用する音が類似しているにも関わらず、それぞれにしっかりと表情の異なるトラックを提示している。 順序が異なってしまったが、B1はこのEPにおけるインタールードだ。インダストリアルサウンドを彷彿とさせるメタリックな音素材を軸にA1とB2の両曲どちらへとでもリンクしていけるように意識の流れを促している。1曲ごとはもちろんだが、全体を通して聴いてみても1つの曲と言えるようなEPだ。
  • Tracklist
      A1 Untitled B1 Untitled B2 Untitled
RA