Big Beach Festival '12 at Makuhari Seaside Park

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  • Fatboy SlimことNorman Cookが地元イギリス・ブライトンで2001年、2002年に開催した伝説のビーチパーティー『BIG BEACH BOUTIQUE』。その日本版である『BIG BEACHFESTIVAL』が、6月2日に開催された。開催4回目となる今回、メインゲストには2回目同様The Chemical Brothersを招待。今年は日英同時開催ということで、以前にも増して話題を集めていた。雨が心配されていたが、当日はうっすらと雲のかかった気持ち良い天気。屋外を楽しむにはちょうど良い気温で、ビーチフェス日和であった。 会場は2回目、3回目と同じ海浜幕張公園。一面に砂浜と海が広がる開放的な雰囲気だ。様々なフードやドリンクのブースが特設会場全体に出店しており、それだけでも祭り気分でワクワクしてしまう。潮風に吹かれながら飲むビールはなんとも言えない初夏の味。真昼間からアルコールがどんどん進んでしまうわけである。来場者はタンクトップや花柄のワンピースなど屋外フェスを盛り上げる開放的な服装に身を包み、まだ夏というには多少肌寒い気候ながらハッピームード全開ではしゃぎまわっていた。今年流行っている(と私が信じてやまない)ネオンカラーのアイテムを身につけている人も多く、音楽とともにスタイルを楽しむ若者たちに好感が持てた。また、会場横の海上ではRed Bullによるアクロバット飛行パフォーマンスも。昨年は2機同時飛行であったのに対し今回1機であったのが残念だが、それでも十分の迫力でオーディエンスを大いに沸かせていた。 今回用意されたステージは3つと、前回よりも更に充実。イエーガーマイスターによるステージ『DISCO BALOON』は、巨大なオレンジ色をした文字通りのバルーンテント。テント内の蒸した空気は多少近寄り難い感があるかと思いきや、皆そんなことは気にも留めない様子。Rip SlymeのDJ USUSやStudio ApartmentのMasanori Moritaなど親しみやすいサウンドで大いに楽しんでいた。 『RED BULL STAGE』では、Red Bullが最強のパーティーロックDJを決定する『Red Bull THRE3STYLE』のショーケースを開催。参加DJがテクノ、ハウス、オールドロック、ポップなど様々なジャンルを次々とプレイするエンターテインメント性たっぷりのショーとなった。その他にも夕方以降はMatthias TanzmannやTimo Maasなどツウを唸らせるアーティストもラインナップ。Matthias Tanzmannのディープハウスながらも軽快なセットはまさに絶品であった。昼からのパーティーで疲れきった体をRed Bullで覚醒させ、冷たいビーチの風の中でデジタルサウンドに身を任せると、そのまま音とともに空に上っていけそうな浮遊感を味わうことができた。 一番巨大な『BIG BEACH STAGE』では、John DigweedやSven Vathといった大物ゲストが早い時間から登場し、ステージ周辺は熱狂的なオーディエンスでごった返し状態。その密集したエネルギーがDJのアクトに反応するように爆発を繰り返し、会場全体の雰囲気を更にヒートアップさせていた。Sven Väthのセットは渋いセレクションであったが、出演時間が少し早すぎた印象。通常10時間超のセットでプレイするDJなので、今回の120分では物足りなく感じたファンも多いかもしれない。 そして陽も暮れかかった18時、ついにこの日の主役The Chemical Brothersの出番である。会場のアテンションは一気にこのメインステージに集中し、ただでさえ混みあっていたステージ付近は完全にカオス状態に。オーディエンスの期待にしっかり応えるさすがのDJセットは何度聴いても最高で、アガリにアガル2時間半であった。最後の最後は例年通り打ち上げ花火で締め。つい感傷的な気分に浸ってしまったのは私だけであろうか。 ちなみに、The Chemical Brothersのパフォーマンスの前に、イギリス会場のNorman Cookがステージ横の巨大スクリーンに映し出され挨拶するという演出も。「来年は行きます」といった発言をしていたような。 ぜひ。次回の開催が更に楽しみである。 Photo credit: Gaku Maeda,Kotaro,Masanori Naruse,Akiyoshi Ishigami,Satoshi Onoda
RA