Adapta - Adapta EP 2

  • Share
  • かつてはBitstreamの一員として初期Modernloveや中後期のTouchin' Bassを中心にIDM色が強いエレクトロ作品をリリースしていたSteve ConnerによるソロプロジェクトAdapta。既存のエレクトロのリズムから、より音数を削ぎ落とし、妖しくうねるシンセサイザーとリフによるデトロイトテクノ的なアプローチを取ったA1、少しつんのめりつつもスタンダードなリズムの体裁のA2も同様に抒情的なシンセサイザーが曲の展開を引っ張っていく。一方でB面に収録された2曲はより実験性を増している。UKガラージを彼ならではの音色に置き換え、おそらくディストーションエフェクトだろうか、少し歪んだシンセベースによるアルペジオが、しっかりと低域をささえつつ主軸となっているリードベースに絡み合うB1。16分で刻まれるハイハットにはエレクトロ的なアプローチの名残を感じる。そしてこのEPにおけるハイライトはB2だ。アクセントとなる1拍目にはしっかり存在感のあるキックとベース音、2拍目から16分ずらしたクラップが曲の土台をしっかりと作りあげ、細かいグリッチ音、リヴァーヴを深くかけたアルペジオシンセが高揚感を煽る。 このB2は特定のジャンルとして認識されることのないトラックでありながら、同時にフロアでしっかりと機能するダンスミュージックだ。そしてそれはダブステップを体験したDJやオーディエンスにとって新鮮に響く可能性を大いに秘めている。 こうした試みが(ジャンルというよりも感性としての) UKベースミュージックをまた1つ面白くしていくのではないだろうか。
  • Tracklist
      A1 Untitled A2 Untitled B1 Untitled B2 Untitled
RA