- 依然好調なリリースを続けるBass Cultureから、イタリア人トラックメイカーAlfredo CaforioとGianni SabatoによるプロジェクトRush?によるデビューEPが到着。なんともつかみどころのないプロジェクト名とは裏腹に、テクノとハウスの隙間を埋める実にディープなグルーヴがここには詰め込まれている。最初の2曲はダビーに満たされた強力なテクノといった趣で、停止した時空のなかできわめて滑らかな反復の美を展開している。3曲目の"Sampler Special"はまるで90年代のニュージャジー・ハウスを強力にアップデートしたかのようなトラックだ。
"Snaster"はより柔軟なグルーヴで、強力に推進するというよりはそこら中で跳ねたり沈んだりを繰り返す。しかし、これらのトラックを差し置いても出色の出来はGerdによるリミックスだろう。多様な作品を手掛けながらそのどれもが決してハズレのないこのオランダ人プロデューサーは、オリジナルの散らばったベースラインを1本に束ね、ひねりの効いたシンセ・スタブを絡ませてトラック全体をじわじわと泡立てて霞ませていく。午前4時の眠らないダンスフロアにはまさにうってつけのトラックだ。