Praslesh - Out Of Time

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  • Understand2枚目のリリースは、PrasleaとRareshによるプロジェクトPraslesh。[a:rpia:r]をはじめとしたルーマニア産のマイクロハウス、そして入手困難なリミテッド・ヴァイナルで知られる2人だ。 Rareshにとってはこれが2007年以来となるプロダクションになるのだが、その前作"Dry Tool"はThomas Brinkmanの作品を無許可の上で安易にサンプリングしたトラックであり、少なからず賛否を巻き起こした。このEPに収められた"Blitz Bits"においても、Megablast "UFO in Brazil"をクラブトラック向けにリワークした内容となっている。たしかにミニマルトラックとしては過不足ない仕上がりだが、11分半にもおよぶトラックの中で変化と呼ぶべき展開はほとんど見当たらず、複雑なパーカッションとヴォーカル・エコーの反復だけがひたすら続いていくだけだ。 Bサイドに収められた"Teamtime"と"Ambitime"は同じ素材を使って作られた双子のようなトラックであることがわかるはず。"Ambitime"は未完成のような、いかにもパーツ的な仕上がりで、アイデアやサウンドは良いのだが構成やアレンジにはもう少しひねりが欲しいようにも感じる。いっぽう、"Teamtime"はなかなかの出来と言っていい。クリスピーなドラムで始まるこのトラックでは、たっぷりとリヴァーブがかけられたシンセが絡み、3分ほど続くオフビート気味のクリッキーなキックの展開はある種の不安定さをリスナーにもたらすが、やがてより強力なボトムが入ってくるとその4/4グルーヴは強固なものとなる。ダークな空間の中でシンバルが暴れ回り、ピアノのスタブはワイルドに響き渡るが、やがて再び不安定なリズムに収束していく。
RA