Colored Music ‎– Colored Music (Club Edit) / Heartbeat (Club Edit)

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  • 独特な音楽に特化したChee Shimizuの著書Obscure Soundでは、通常のジャンル分けではなく、「spiritual」「cosmic」「meditative」「mellow」「floating」「pensive」といった、非常に刺激的なセクション分けが行われている。巻末部分の「groovy」と名付けられたセクションにひっそりと掲載されているのが日本人グループColored Musicによる同名のアルバムだ。1981年にBetter Daysからリリースされた同作には中心人物であるIchiko HasimotoとAtsuo Fujimotoのふたり、そして、サポートミュージシャン陣が参加している。彼らはMariahDip In The Poolに続く、再評価されるべき80年代ジャパニーズユニットだ。Mariahの「Utakata No Hibi」同様、『Colored Music』もUKシンセポップ、USニューウェーブ、ミニマル、アヴァンジャズなどの影響をうかがわせるが、独自の作品として他とは一線を画している。 Shimizuは『Colored Music』から表題曲と"Heartbeat"の2曲をリエディットし、HMV Japanと始めた新レーベルJapanismの7インチに収録した。"Colored Music"のリエディットでは原曲のスラップベースを原動力とするパンクファンクな感覚が維持されている。性急感と安堵感を同時に覚える、キャッチーながら素晴らしく奇妙なトラックだ。ちょっとした部分が改善されているので、クラブでのプレイが容易になっている。しかし、過度に均一化されているわけではなく、原曲から引き続き使われている奇妙なシンセフレーズは、Severed Heads "Dead Eyes Opened"のインダストリアル・ノイズを彷彿とさせる。("Dead Eyes Opened"はこのノイズのため、メジャーでウケるには過激になってしまった)。 Shimizuによる"Heartbeat"のリエディットが素晴らしい。Japan BluesことHoward Williamsもこのトラックをリエディットしており(英語サイト)、2014年にBerceuse Heroiqueから発表している。ドラムマシンのループを土台に据えた今回のリエディットは驚くことにクラシック・ディープハウスのようなサウンドをしている。今回のリエディット2曲で特筆すべきは、Shimizuが原曲の魅力的な奇妙さを維持しながらクラブ仕様に仕上げている点だ。
  • Tracklist
      A1 Colored Music (Club Edit) B1 Heartbeat (Club Edit)
RA