Dynamo Dreesen, SVN & A Made Up Sound - Acido 20

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  • 「Acido 20」において、どこまでをDynamo DreesenとSVNが担当し、どこまでをA Made Up Soundが担当したのか聞き当てるのは難しくない。本作は3人による新たなコラボレーションEPだ。Dreesvn名義にて、Dynamo DreesenとSVNはカルトな人気を誇るAcidoの他アーティストと共に同レーベルの音楽観を体現しながら、長年をかけて良作の数々を制作してきた(Dynamo DreesenことAndreas Krummは2004年に同レーベルを設立している)。Dave Huismansの名義であるA Made Up Soundも挑戦的なプロデューサーだが、よりしなやかで、低域を重視し、ダンスフロアに直結したスタイルを持っている。どのように聞くかにもよるが、「Acido 20」は最大のインパクトを生むために微調整したDreesvn、もしくは、マッドサイエンティストによって手を加えられたA Made Up Sound、といった内容だ。 いずれにせよ、3人は見事にまとまり合っている。フロアを沸々と熱していくように設計されたAサイドからは、Huismansが先導している様子を感じ取ることができる。Dreesvnによるスカスカなトラックのように淡々と鼓動しているが、ドラムは鋭くしっかりと詰め込まれている。Dreesvnの前作が、牧歌的なレーベルデザインで描かれている木々の間から聞こえるヒスノイズを彷彿させるとするなら、今回の3人は藪の中を切り裂いて進んでいるかのようだ。Bサイドはさらに瞑想的になっているにも関わらず強度が増しているという、珍しい仕上がりだ。パッドが先導する抑圧的なメロディが両トラックの大半を担っている。また、B1で聞くことのできる坦々とした鼓動は委縮して不規則になっていく。Dreesvnが過去の作品を通じて散りばめてきたタイトに織り込まれるダビーなハウスが多くの人たちにプレイされてきたように、挑戦的なDJであれば、今回の大胆なトラックをプレイする機会を見い出すだろう。違いといえば、Acido史上、最大級にハードな作品をAサイドに収録したことにより、確実に支持を獲得すると思われることだ。
  • Tracklist
      A1 Untitled B1 Untitled B2 Untitled
RA