Leif - Life Through Analogies

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  • Leif Knowlesは何年もロンドンに住んでいるが、ウェールズのプロデューサーの好例と言える存在だ。丘が多くまばらな地形が広がるウェールズで彼が育ったことが、酩酊するサウンドの発展を促している。ウェールズにはクラブはほとんど無いに等しく、DJたちは知り合いのイベントでプレイしながら腕を磨いている(そのイベントの中には、あのFreerotation Festivalも含まれている)。おそらく、そのためだろうが、Knowlesの作品は完全にミックス可能なトラックでありながら、ドリーミーで調子が抑えられており、従来のパーティー仕様とは異なっている。さらに言うならば、クラブらしくないのだ。彼とJoe Ellisがセルフレーベル、Untilmyheartstopsからリリースする音楽にも同じことが言える。ブリストルのIdle Handsから発表される彼の新作EP「Life Through Analogies」は、そうした唯一無二の特質を見事に捉えている。 KnowlesとIdle Handsは共に、ディープでオフビートなグルーヴに特化している。そして、本作で聞くことができるのも、ほぼそうしたサウンドだ。"Salix"では、2小節に1度の割合で打ち込まれる単音クラップが絡む不規則なキックのパターンを通じて、浮き沈みする動きが生み出されている。タイトルトラック"Life Through Analogies"は、斜めったリズムが万華鏡のように変化する傑作だ。幽かなアンビエンスがトラックを覆い尽くし、分厚いベース音が点在している。"My Heart Stopped Beating"では、こもった音色で跳ねるリズムに、悲しげなピアノと艶やかなボーカルの断片で枠組みを作ることで、Portisheadのタッチが生まれている。収録の3曲はすべて柔らかく意識を没頭させることができる。そして個人的には、過小評価されているアーティストであるLeifのトラックの中でもベストと呼べる作品だ。
  • Tracklist
      A1 Life Through Analogies B1 MyHeartStoppedBeating B2 Salix
RA