Andrés - Believin'

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  • Andrésの音楽には、いつも時間を超越した感覚がある。2012年にRAがトラック・オブ・ザ・イヤーに選出した"New For U"からの流れで「Believin'」を聴くと、ますますその想いは強くなる。このEPは"New For U"の続編のようにも思えるし、逆に、5年早く発表されていてもおかしくないとも思う。 本作でも、ディスコ、ジャズ、ハウスが一体となった暖かな音楽を作り出すAndrésのセンスを感じることができる。しかし、彼が"New For U"の二番煎じを作るような男ではないことは言うまでもない。今回、タイトルトラック"Believin'"が出色の出来だ。男性ボーカルのループ("New For U"と類似点があるとすれば、このループくらいだ)に、女性ボーカルが絡み合い高揚感を煽り、その背後では、パーカッションと微かに聞こえるキーボードがきらめいている。熱気に満ちたベースが奏でるメロディと柔らかく繰り返されるドラムから成る"Can't Shake It"は、本作で一番ストイックなトラックだ。一方、ラストトラック"Jungle Pain"では、こじんまりとしたジャズバーの雰囲気が漂う中、ローズの調べがあちこちへと豊潤な響きを届けており、そこへ歪んだディスコボーカルのサンプルを用いることでさらにエッジを効かせている。いつも同じ音楽を制作するプロデューサーは数多くいるが、本作のAndrésほどエキサイティングに仕上げられる人はなかなかいないだろう。
  • Tracklist
      01. Believin' 02. Can't Shake It 03. Jungle Pain
RA