- 10年分のレイヴ向けオリジナル音源、1時間
- イギリスのアーティストpattenが昨年リリースした4枚のアルバムの1枚が、『FLEX』という作品だ。このタイトルは彼の音楽を言い表している。彼自身の言葉を借りると、「固定されていない液体」である。pattenのディスコグラフィーの中では、音とリズムがそれぞれの間を自由に流れ、ジャンルは溶け合う。彼の作品はアンビエント、IDM、ジャングルをカバーし、さらにはトラップやブレイクコアにまでアプローチしている。そして最近ではレイヴ・ミュージックへの愛、あるいは彼がいかに上手くそうした音楽を作ることができるのかを、ためらうことなく見せつけている。(Joe MuggsはRAに寄せたレビューの中で、『FLEX』は「オールドスクールなレイヴの価値観が溢れ出している」と評した。)もちろん、彼にできることはそれだけではない。最近はその他に、ゴージャスなアンビエント・アルバム『GLOW』や、それと対になるドゥームメタルにインスパイアされた『GLO)))』、そして最新作である、90年代半ばのIDMを噛み砕いて吐き出したようなサウンドの『Aegis』を発表した。(おっと、それとAriel Pinkのトラックを粉砕した美しいアンビエント・ミックスも制作していました。)
最近のレコードや未発表音源、2005年のリリースなど、全曲オリジナルで構成された彼のRAポッドキャストは、pattenの多才さだけでなく、彼のオリジナリティ、そしてたくさんのスタイルの音楽を横断し自身の痕跡を残す彼のやり方をも示している。シークレットウエポンの数々を持つDJによる最高のクラブミックスであることに間違いはないが、全ての楽曲が同じ人物によって作られたというのだから驚きだ。気紛れなジャングル、ブーンと響くヒップホップのドラム、テクノなど広範囲に及び、その全てには、pattenの作品が異彩を放つ所以である、ディテールが細かく流動的、そして予測不可能なサウンドデザインが施されている。
Tracklistpatten - iiiiio5, [UNRELEASED] (2012)
patten - Memory Flood, from FLEX [555-5555] (2019)
patten - Torque, from Aegis [555-5555] (2020)
patten - Shadowcast, from FLEX [555-5555] (2019)
patten - Vertigo, from Aegis [555-5555] (2020)
patten - Slipstream, from FLEX [555-5555] (2019)
patten - Drip, from Aegis [555-5555] (2020)
patten - Flame, from FLEX [555-5555] (2019)
patten - Optics, from Aegis [555-5555] (2020)
patten - Chimera, from FLEX [555-5555] (2019)
patten - Empathy Index, from FLEX [555-5555] (2019)
patten - Labyrinth, from Aegis [555-5555] (2020)
patten - Snake Eyes, from FLEX [555-5555] (2019)
patten - Cloak, from Aegis [555-5555] (2020)
patten - ffffff9, [UNRELEASED] (2012)
patten - Night Vision, from FLEX [555-5555] (2019)
patten - VelvetScans, from FLEX [555-5555] (2019)
patten - Life2, from FLEX [555-5555] (2019)
patten - Piri Reis, [UNRELEASED] (2005)