- ドローンの達人によるディープリスニング
- Sarah Davachiのツアー日程を見てみてほしい。それはドローンアーティストというよりもスーパースターDJと呼ぶ方が相応しいほど、濃厚な、世界中を飛び回るスケジュールだ。だが、それはこのカナダ人アーティストの幅広い魅力について多くのことを物語っている。彼女のパフォーマンスを一度でも見た人は、それがバイオリンであろうが、シンセであろうが、ホーン、あるいは他の楽器だろうが、決して忘れることはないはずだ。Davachiは、スローで、じっくりと広がっていくメロディーをうまく操る。集中して聞かなければならないが、その甲斐がある、そんなアンビエントミュージックだ。
Davachiは今年に入ってから2枚のアルバムを発表した。1枚はメロトロンと電子オルガンにフォーカスしたミニマルな作品『Let Night Come On Bells End The Day』。そしてもう1枚は、ヴォーカルとピアノ、ストリングスを取り入れることでレパートリーを広げ、彼女のキャリアの中で最も多角的な作品の1つとなった傑作『Gave In Rest』だ。RA.648は、Davachiが日頃、目まぐるしいスケジュールから逃避し、リラックスする為に聴く音楽で大部分が構成されており(彼女は現在ロサンゼルスを拠点とし、そこで音楽学の博士号取得を目指してもいる)、彼女がこうした種のヴァイブの熱心な研究家であることが伺える。このミックスでは、日本で録音したヴォーカル、Arthur Russellの知る人ぞ知る曲、Grouperによるディープなメランコリー、そしてCircuit Des Yeuxによる心に残るノワールなど、あらゆる音楽をフィーチャー。Davachi自身の作品同様に、その空間を霧で包み込み、決定的なムードを生み出している。
TracklistAkio Suzuki & Aki Onda - Ta Bi No Ha te (Excerpt)
Arthur Russell - "Instrumentals" Vol. 2, Pt. 4
Guillaume Le Heurteur - Chanson (Hellas! Amour)
Thomas Mera Gartz - Självmördarens Sång
Gordon Mumma - Eleven Note Pieces & Decimal Passacaglia: À Coriún Aharonián
Grouper - Labyrinth
Musica Elettronica Viva - Message (Excerpt)
Joanna Brouk - The Nymph Rising, Calling The Sailor
Angus MacLise - Trance #2
Circuit des Yeux - Falling Blonde
Peter Jefferies - On An Unknown Beach
Tomaso Albinoni - Adagio For Strings And Organ In G minor
Charlie Morrow - Wave Music V - Conch Chorus And Bagpipe