- 編み込まれたサウンド
- 今年のRainbow Disco Clubで、Yoshinori Hayashiは自身の音の幅広さを披露するようなセットをプレイした。午前10時過ぎにプレイを開始し、まずはBilly Cobhamなどのパチパチと音がするようなジャズのレコードをかけてクラウドを落ち着かせた。そして30分ほど経つとNu Grooveの古いナンバーからハウスへと方向転換し、フェスティバルに活気を与え、その日のその後の雰囲気を決定づけた。彼は自身の制作アプローチに「コラージュ的趣向がある」と説明しており、そのフレーズは、ジャズやハウスだけでなくディスコ、テクノ、エクスペリメンタルミュージックなど数多くのサウンドを織り交ぜながら全体的に一貫性のある、彼のDJセットにも当てはめることができる。
Hayashiは2015年にロンドンのレーベルGoing Goodから発表したEPがきっかけとなり、日本国外からの注目を集め始めた。同作についてRAのレビューでは、「「スタジオ機材、生楽器、くすんだジャズレコード、そして、スマートにカットされた膨大なサウンドを複雑につぎはぎ」した作品だと説明している。2017年には初のヨーロッパツアーを敢行し、先日再び海外でのギグを行ったばかりだ。RA.630の中で、Hayashiは自身の音楽コレクションにより深く潜り込み、ジャズ・ロックからコズミック・クラブまでをスムースに行き来してみせた。
近況報告をお願いします
Going Goodからのデビュー以来国内外で心ある人々とより多く繋がりつつある。しかしながら日本は貧しく、狂ってる。労働、作曲、労働、DJ。
ミックスの制作環境を教えてください
自宅にて。Technics sl-1200 mk3 x2/TASCAM M-03ST
ミックスのコンセプトを教えてください
逸脱や矛盾を古典的なやり口で連結させる事。
このミックスもレコード作品も音楽的に幅広いですが、とりわけ重要な特定のアーティストや音楽スタイルなどはありますか?
クラブミュージックに関して言えば、創意工夫された極一部の90年代ハウス、テクノ、DJプレイの存在が自分にとって大きい。
レコード作品からはフィールドレコーディングやサンプルを使用していることがうかがえます。トラック制作におけるアイデアはどのように来るのでしょうか? フィールドレコーディングやサンプルを基にしているのか、それともそれ以外ですか?
アイデアはトラックメイクを反復する中で。サンプルによるモチーフを繰り返す事はない。コラージュ的趣向はあれど組み立て直し自ら演奏も加える。
今後の予定は?
人としてオープンでいる事。