RA.554 Craig Richards

  • Published
    Jan 9, 2017
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  • Length
    03:00:00
  • fabricのレジデントによる渾身の3時間
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  • Craig RichardsがUKのクラブミュージックに与えた影響の大きさを完全に推し量るには、世紀の変わり目にまで遡る。今やディープでアンダーグラウンドなハウスやテクノのパーティーはUKのクラビングシーンに深く根付いているが、Richardsが17年間レジデントを務めてきたfabricが1999年にオープンした当時は、状況は大きく違っていた。「当時はなんでもスーパー、スーパー、スーパー、スーパーだった。スーパークラブ、スーパースターDJ、なんでもスーパーサイズ」「(fabricは)音楽的に、新鮮な息吹だった」と、fabricのプロモーションマネージャー兼タレントブッカーのJudy Griffithは、先日我々に語ってくれた。RichardsがレジデントDJとミュージックディレクターを兼任するようになって以降、同クラブの土曜の夜は、繊細で洗練されたサウンドの砦となった。そしてfabricは、UKのオーディエンスに世界各地の才能あふれるアーティストを数多く紹介してきた。その中でも最も有名なのが、2002年に初登場して以来Room 1のレギュラーで居続けているRicardo Villalobosだろう。他にもRichardsやfabricの信念に追随してきた者たちは数多くいたが、ここれほどのスケールと素晴らしい一貫性を伴う場所はどこにもない。 先週末、同クラブは長く、大々的に報道された営業ライセンスを巡る闘いの末、8月振りに営業を再開した。もちろん、これはfabricの歴史において極めて重要な瞬間だった。In Residenceシリーズの特集記事でJoe Muggsが指摘したように、fabricのスタッフは精神的に過敏になりながらもプロ意識をもって状況に対処してきたが、彼らは最高水準のナイトクラブを運営するという原点に戻ることに終始集中してきた。Richardsは、その控えめかつ確固たる精神の化身だ。彼は世界各地でプレイし、権威あるレコードレーベル(The Nothing Special)を運営し、そして時には楽曲を制作するが、彼の力の大部分は、fabricの土曜日の夜を真に素晴らしいものにすべきことに注がれてきた。 我々は2006年からRichardにミックスを依頼してきたが、これだけ待つ価値があったと、今確信をもって言える。fabricがオープンして以来プレイされてきた彼のDJセットと同様、RA.554は、頭角を表すには派手にやる必要はないという精神を要約している。ディープでグルーヴィー、そして絶妙なダンスミュージックのマスターによる、3時間のセットをご堪能あれ。
RA