RA.549 Volvox

  • Published
    Dec 5, 2016
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    166 MB
  • Length
    01:12:27
  • ニューヨークで躍進中のDJが放つ変種サウンド
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  • テクノDJとしてニューヨークで多忙な日々を送っているVolvox。彼女が頻繁にDJをするのは午前7時だ。その理由は、その時間帯に合ったプレイをするからというだけでなく、彼女のプレイ終了時間までオーディエンスが会場に残ることをプロモーターたちは知っているからだ。それ以外にも彼女は、ブルックリンの人気ダンススポットBossa Nova Civic Clubで開催されている金曜日のレジデントパーティーJack Deptにも出演している。サンパウロ生まれのVolvoxは同パーティーを長年のコラボレーション・パートナーであるJohn Bareraと共に開催し、今夏には同名のレーベルを始動している。そして彼女は女性同性愛者のアーティストの地位向上を目的とした国際的コレクティヴDiscwomanの創設メンバーでもある。 Volvoxはイベントの規模や時間帯によって異なるDJスタイルをいくつか使い分けている。美術学校のパンクスで埋め尽くされるダンススポットBossa Nova Civic Clubでは、アシッドなトラックやハードウェアによる変わり種トラックを主にプレイし、そこへインダストリアルやEBMを混ぜ合わせることが多いが、例えば、1000人規模のウェアハウスでRobert Hoodと交代した場合なら、彼女は殺伐とした容赦のないサウンドをプレイする。今回、Volvoxが提供してくれたミックスはこの前者にあたり、詰め込まれた変種のエレクトロやアシッドチューンからは個性とカリスマ性がにじみ出ている。 近況報告をお願いします この前、初めてヨーロッパでツアーをしたの。滞りなく素晴らしいツアーを組んでもらえて、Earth AgencyのOliver SeamanやDiscwomanには感謝してもしきれないわ。素敵だったのは、たくさんの街を回って、各地のベストクラブに出演できたこと。どのパーティーも本当に盛り上がったわよ。お客の熱意に驚かされた。ツアーの締めくくりがPanorama Barだったっていうのも最高だった。以前からの友達や最近知り合った友達でフロアがいっぱいだったの。これで夢がひとつ叶ったわ。Mike Servitoから出番を引き継いだことはかけがえのない思い出よ。今はニューヨークに戻ってきているけど、やることがいっぱい溜まっているわ! 今回の制作環境を教えて下さい 借りてきたPioneerのXDJ-RXを使って、ベッドスタイにある自分の地下スタジオでレコーディングした。コントローラーを使ってミックスするとノリが出ないものなんだけど、XDJ-RXはミックスを録るのに便利ですごく分かりやすいの。 今回のミックスでは何を意識しましたか? 北アメリカと南アメリカのプロデューサーをたくさんフィーチャーしようと思った。あと、アシッド的なスタイルで制作している比較的無名なヨーロッパのプロデューサーもね。ニューヨークのアンダーグラウンドの特徴になっている、ざらついたロウなサウンドがどんなものかイメージできるミックスにしたかったの。 Jack Deptという名前でレーベルを立ち上げたばかりですが、レーベルの展望を教えて下さい。 この3年間、John Bareraと私がBossa Nova Civic Clubで開催している同名のパーティーがあって、レーベルはそれを拡張したものよ。レーベルの音は陰鬱な感じのするテクノやアシッド、エレクトロに焦点をあてていて、私は北アメリカと南アメリカのあまり知られていないプロデューサーをプッシュしようと頑張っているところなの。絶対にそのエリアじゃないとダメなわけじゃないけどね。リリースするにあたって障害になるものをできるだけ無くしたいと思っていて、その理由から私たちは配信限定でレーベルを運営しているの。アートディレクションもすべて自分でやっているわ。 ニューヨークのテクノ界は最近どのような状況でしょうか? ニューヨークのシーンは爆発的に盛り上がっているわ。ここ数年間で頑張ってきたアーティストが世界的に評価を受けたり、ツアーに出るようになったりしていて、すごくいい感じ。今年の夏は、シーンのアーティストの半分はベルリンにいたんじゃないかな。平日も週末も質の高いイベントが常に開かれているし、新しいレーベルが至るところで生まれているわ。今ここで起こっていることに関わっているとゾクゾクするの。私ももっとやってみようって気にさせてくれるわ。 今後の予定を教えてください Jack Deptからリリースがいくつかあって、そのカバーアートを仕上げないといけないの。今回とは別でミックスを作る予定もある。もちろん、音楽をもっと研究していくわ。ヨーロッパツアーで持ちネタをほとんど使い果たしちゃったから、新たに曲をたくさん蓄えておかないとね。来年の予定も立てているところなんだけど、2017年はたくさんツアーに出ることになりそうよ。
RA