RA.513 Markus Suckut

  • Published
    Mar 28, 2016
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    205 MB
  • Length
    01:29:27
  • 素晴らしく機能重視なテクノ
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  • 「完璧を目指してるわけじゃないんだ」と、Markus Suckutは下のインタビューで言っている。しかしリスナーとして彼の音楽を聴くかぎり、それはなかなか信じられ無いことかもしれない。5年ほど前から、Suckutはパワフルで精度の高いクラブ・トラックをコンスタントにリリースしてきた。このドイツ人のテクノ・プロデューサーが作るトラックを聴いていると、「なぜただのキックドラムとハイハットだけでこんなにワクワクするんだろう?」といった、とてつもなく根本的な疑問を抱いてしまう。彼の作品は、Robert Hood流派のミニマリズムを継承しているものが多く、グルーブ主体だ。シンバルの音だけで進行するアレンジメントもある。2012年の"Hunt”などが良い例だ。この曲は強力なキック、Basic Channelっぽいシンセ音、そしてハットのみで構成されているが、地盤を破壊しかねない威力を発揮する。Suckutはこういった楽曲をStroboscopic Aretfacts、Frozen Border、Horizontal Ground、Figure、Repitch、Mosaicといった人気レーベルから発表しており、Johannes Heilと主宰するExileと、今月蘇生させたSCKTなど、自身もレーベルを持っている。最近Rekidsからリリースを行った「Heat On Feet」では、Suckutはブロークンビーツであったり、より明るいムードの楽曲も手掛けることができることを証明していた。しかし同作のレビューでWill Lynchが指摘していたように、Suckutの魅力は幅広さではなく、ひとつのことを極めるストイックさにある。 今回のRAポッドキャストでは、Suckutが強烈なテクノを細かく展開させながら、どういったミックスの仕方をするとこのサウンドが映えるのか見せてくれている。 まずは近況報告をお願いします 可能なかぎり人生を楽しみつつ、週末にはギグをして、平日にはスタジオで制作をして、レコードやスニーカーを購入してる。今、即興のジャム・セッションをメインとしたプロジェクト、『Tales Of The Machines』を制作しているんだ。これは普段の俺の作品とは違ったものになるね。Johannes HeilとやっているEXILEでは、親しい仲間たちを最近招き入れて、2年ぶりに自分のSCKTというレーベルを立ち上げ直した。あと、Rekidsのマット(エドワーズ)に作品をリリースする話をもらって、制作しているんだ。 ミックスの制作環境を教えてください 1月、ちょっと時間があったときに自宅のスタジオ部屋で録音したんだ。 ミックスのコンセプトについて教えてください 普段DJでかけている様々な曲を入れようと思ったんだ。ディープでダビーなものからエクスペリメンタルなもの、テクノやハウシーなものまで。それと、何年か後に聞いても楽しめる、色あせないものにしたかった。 あなたの音楽を「素晴らしく機能重視」と私達は呼んでいます。人を踊らせることを目的に音楽制作をしていると感じるのですが、いかがでしょう? まず、そういってもらえて嬉しいよ。それはDJをするときはそうだが、音楽制作をする上ではクラブやダンスフロアをほぼ考えていないんだ。俺は徐々にビルドアップして派手に展開するトラックがあまり好きじゃない。最低限の変化で十分だと思ってる。トラックを作るときは、単純に俺が良いと思うかが基準になってるよ。 グルーヴを作る上で何か特別な手法はありますか? グルーヴは音楽を作る上でも、DJでも一番重要だ。ケツをふることを可能にするグルーヴであるべきだと、前から思ってる。特別な手法があるかどうかは、わからないね。大抵の場合、完璧を目指してるわけじゃないんだ。「細かい部分はどうでもいい」精神でやっている。シンク機能を使わないで、耳を頼りにAbletonに録音して、あとで直したりしない。アクシデントも美しいものだ。素早くスケッチをすると、良いものができることが多い。何時間聴いても飽きないループができたら、磨き上げる価値があるループだとわかる。長旅にリスナーを連れていけるような魅力のあるものは素晴らしいと思うんだ。 今後の予定は? DJギグの準備をして、レコードを買って、もしかしたらいつかリリースされるかもしれない楽曲を作ることだね。
  • Tracklist
      STL - Thunderstorm - Something Records Hallucinator - Black Angel - Chain Reaction Tales of the Machines - 3 Takes 1 Take (1st Take) - Unreleased DJ Slip - Sketches Vol.1 A1 - Missile Records STL - Loop 2 from Echochord 66 - Echochord Dustmite - 073 - Unreleased Cleric - Retina 1 - Unreleased Steve O'Sullivan - Quatre B2 - Green/As It Is Markus Suckut - Untitled #2 - Rekids Markus Suckut - F-0710 to Frankfurt - SCKT Mike Davis - brutalism Concrete - New York Haunted Radio Slave - Children Of The E (North London Mix) - Running Back Mikael Jonasson - Probe - EXILE Kolde - Vision 62 - Kolde Records Boston 168 - Seven Heads - ODD EVEN Takasi Nakajima - Basicmath One (Jasper Wolff & Maarten Mittendorff Remix) - Indigo Aera Rebeval - B Is Naggin - L.I.E.S. DJ Spookie - What - Relief Records Itsnotover - Brotherhood - Itsnotover Radio Slave - Vision - Rekids Markus Suckut - Untitled #3 - Rekids
RA