- 好調のカナダ人デュオが展開するテクノ・ライブ
- トロント出身のAdam MarshallとChristian Andersenの2人は、2010年代に突入した頃ベルリンに住んでいた。Marshallがその数年前から運営していたレーベルNew Kanadaは好調であったが、当時崩壊しつつあったダブステップ・シーンで、XI名義で長年活動してきたAndersenは、なかなか音楽活動が軌道に乗らずにいた。
Andersenのドイツの首都での生活の終わり頃、2人は共に制作をするようになり、そのうちデビューEPを完成させた。Grazeとして発表した彼らの音楽は、Marshallの飾り気のないスタイルとAndersenのクリアなサウンド・デザインを完璧に融合させたものであり、作品がヒットしたことで彼らはその後フルアルバムと、5枚ものEPをほんの1年半の期間で発表するに至った。その精力的な姿勢はライブセットにも現れており、客と同じぐらい汗をかきながら、ロングなライブセットを披露することで知られている。しなやかなシンセ、シャープなドラム、そして予想を裏切るサプライズが盛り込まれた今回のRAポッドキャストには、そんな彼らのライブの魅力が詰まっている。
まずは近況報告をお願いします
Christianはスタック・アレイの勉強をして、Adamは静かにヘリオトロープを吸い込んでいた。
ミックスの制作環境について教えてください
このミックスはAdamのベルリンのスタジオでレコーディングしたあと、バンクーバー・アイランドの友人のホームスタジオで手を加えて仕上げたんだ。
このミックスのコンセプトについて教えてください
俺たちのライブセット を切り取ったようなものなんだ。ニューアルバム『Soft Gamma Repeater』の曲や、過去の曲を再構築したもの、そして新曲などを詰め込んだ。
あなたたちはここ2年の間に2枚のアルバムと3枚のEPを、同じ大陸にすら住んでいないながらも完成させています。どういった制作プロセスで作品を作っているのですか?
お互い別々に作業していたほうが、より効率的にアイディアを形にできると感じているんだ。現在のやり方としては、どちらかがシンプルなメロディーのスケッチか、短いドラムパターンを送って、それにもうひとりが手を加えて、送り返す。その行ったり来たりを何回か繰り返して、トラックが形作られていくんだ。完成するまでは色々なアイディアが試され、ボツになり、予想してなかった方向に進んだりする。お互いのセンスを信じているから、このカジュアルな淘汰プロセスが格段に物事をスピーディーにしていると思うんだ。
お互い最終的にどういうトラックになってほしいとかあまり考えていなくて、相手がやることに対してオープンだ。お互いどういう形でトラックが完成するか解らないし、だからこそ毎回新鮮でワクワクするんだ。
ライブについて教えてください
このプロジェクトのメインフォーカスはライブなんだ。ここ1年の間に作り込んで、磨き上げて来た。俺たちはアナログとデジタルの機材を組み合わせ、とてもハイエナジーなライブを行う。ハードウェアは大好きだが、ソフトウェアもコントローラーを使って活用するんだ。両方を組み合わせてこそ、ライブで本当にやりたいことが実現できると思ってる。DJとも同じで、秩序と混沌の丁度良いバランスがあるとき、最も説得力のあるライブができると思うんだ。その絶妙なバランスを保つことを心がけているよ。
今後の予定は?
やっとアルバムを出すことができたから、来年はたくさんツアーをしたいと思ってる。あとMagic Leapが今後出すものを首を長くして待ってる。