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RA.396 Midland

Published
Dec 30, 2013
Filesize
152 MB
Length
01:06:09

ミックス職人と迎える新年
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Harry Agiusは、独自のサウンドを貫きながらも幅広いファン層を獲得してきた人物だ。そして現在、彼の名はPanorama Barでもイビサでも見かけるようになった。その秘訣は、幅広い客層にアピールしながらも、アンダーグラウンドの玄人も唸らせるバランスのとれた彼のDJセットにある。今年2013年、彼は今まで以上に多くの人々の前でプレイしたが、同時に、彼が制作する音楽は更にダークで歪んだものになっていた。彼の新しいレーベルGradedから出した2作は、メランコリックで知られる彼のハウス・サウンドを更新しており、ドラッギーなヒット曲"Trace"は、今年のベストトラック50で16位にランクインした。安定して良質なミックスを世に出す彼は、今年のオンラインミックスのランキングでは5位を獲得した。そんな彼こそが2013年を締めくくるに相応しいと感じ、今回のRAポッドキャストをお願いした。そして彼から届いたものは、ありきたりなハッピー正月サウンドをぶち壊す66分間のキラーミックスであった。 まずは近況報告をお願いします オーストラリアのツアーを終えて帰って来たばかりだ。今年は今まで以上にギグをこなした。それは最高に嬉しいことなんだが、その代わり制作の時間が減ってしまった。それでも最近Gradedから2作目を出すことができて、出来にとても満足しているよ。 ミックスの制作環境を教えてください 自宅で、2台のSL-1210とAllen & Heath Xone:92を使って、アナログとSeratoで制作したんだ。 今回のミックスのコンセプトについて教えてください 私がミックスを作る時は、いかに新しくてエクスクルーシブな音源を集められるかよりも、いつまでも色褪せない、面白い音楽を選ぶことに重点を置いている。このミックスでは、若干粗い質感のものを選択したんだ。私にとってミックスを作るという行為は、大変だが達成感のあるものだ。今回のは特に時間がかかったし、盛衰のある展開にできたと思っているから、それが伝われば嬉しい。 大晦日のパーティーは過去に何回もプレイしているのですか？午前零時にかける定番の曲などありますか？ 今までプレイした大晦日のパーティーは、どこかぎこちなかった。毎回、皆最大限に楽しもうとしているんだけど、盛り上がりが頂点に達さないような気がするんだ。正月のパーティーのほうが、皆変に気張らず楽しんでいるようだ。だが今年の大晦日のパーティーは楽しいものになりそうだよ。私の経験から言うと、Princeの"I Wanna Be Your Lover"のDimtri From Parisのエディットは、午前零時を迎えた瞬間に最高に盛り上がるね。 あなたがDJでプレイする音楽や作る音楽は、2013年を通して変化したと感じていますか？ 私がプレイ、あるいはプロデュースする音楽の幅は確実に今年広くなったと思ってる。ギグの規模も大きくなって、確実にステップアップした年になった。例えばWe Loveなんかが良い例だ・・・イビサでPaul Woolfordとバック・トゥー・バックをやった。私たちのサウンドを、普段そういうものを聴いていない3000人以上もの人々の前でやることができた。ギグは上手くいったし、客も思っていた以上に受け入れてくれて驚いた。私が思うに、そこが難しいとこなんだ。自分らしさを貫きながらも、違う環境、時に規模の大きい環境に行った時に、いかに適応して上手くやりたいことを伝えられるか。私の制作にもこの考えは反映されてきていると思うし、確実にクラブにもっとフォーカスして制作するようになった。DJでかけられる曲を常に持っているのも重要なことだし、クラブを意識した作曲をするようにしている。 今後の予定は？ 2年ほど前からシンガーと、パートナーのRobbie Redwayと共にAKASEという名前で制作をしていた。最初はただの遊びだったが今では15曲完成しており、1月にはベルリンに行ってEwan Pearsonにミックスしてもらう。彼とは数年前にベルリンのギグで知り合ったんだ。戻ったら、ライブ用に練習する予定だ。 Midlandとしての活動に関しては、まだまだ未完成なものやアイディアがたくさんあるんだ。ギグに関しては、楽しみなイベントがいくつかすでにスケジュール帳に書き込まれている。今後はもうちょっとギグを選んで、減らして、１つ１つのセットをベストにすることを心がけるつもりだ。
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