- テクスチャーテクノを奏でるニューヨーク・デュオ
- Sam HaarとZach Steinmanは時間をかけることが好きだ。彼等の9分間のトラックもそうだし、ニューアルバム『Swisher』での四方八方へと広がるテクノとハウス
の探究の旅もまたその現れだ。2010年にMerokから出した『Touched』で提示され、その後RVNG Intlから出した複数のシングルと、それらシングルを含んだセルフタイトルのアルバムで更に洗練されていった彼等なりの広がりのあるダンスサウンドは、今回のアルバムで1つの頂点に達したと言えるかもしれない。彼等の曲は濃密でありながらもどんどんと広がって行き、クライマックスへと徐々に、徐々に高揚感を増していく。ほぼ生演奏でレコーディングしているため、彼等ほど機材さばきが優れていなければ相当に体力を消耗するであろうアプローチだ。
ライブで分厚い音を解き放つことで知られている彼等だが、DJとしてもあなどれない。今回のRA.375でBlondesは、鐘の音色が響くEfdeminの"Acid Bells"から、めまぐるしく変貌するLaurel Haloの"Sex Mission"まで、スケールの大きいダンスミュージックを展開している。ダンスミュージックとロックの間を行き来する彼等2人が、どういった音楽にインスピレーションを受けているのかが聴ける興味深いミックスとなった。
まずは近況報告をお願いします
これから始まるツアーのために準備をしていた。新曲を披露するのが楽しみだよ。それ以外では、ニューヨークの夏を満喫しているよ。ハイキング、水泳、ビーチに行ったりなどして。
制作環境を教えてください
ニューヨークにある俺たちのスタジオで、6月にパソコンで制作したんだ。
今回のミックスのコンセプトについて教えてください
ニューヨークの友人知人の曲を中心に、最近気に入ってる曲とか、『Swisher』の曲を混ぜた内容にしたんだ。アップビートで始まって、ダークなゾーンへと突入して、最後はまた気持ちよくなるような自然な流れを目指したんだ。
デビューアルバムと比べて、『Swisher』はどのように違う作品になりましたか?
制作のプロセスがまったく違った。今回俺たちは全部の曲をほぼ同時進行で作って、徐々にアルバムが形になっていったんだ。新しい機材も導入したし、サウンドの好みも少しダークになってきた。今回目指していたのは、曲を作る上でのプロセスを大事にする作曲法だった。過去の作品ではそれぞれの曲が1つの完結するストーリーであったのに対して、新作は全部で1つの長編大作なんだ。
アルバムの発表があったすぐ後にデジタルでリリースしたのは何故だったのですか?YouTubeでアルバムをフルで試聴できるようにもなっていましたね
そっちのほうが民主主義的だと思ったんだ。 俺たちが個人的に送ったもの意外では、プロモ盤が出回ることもなく、皆が同じタイミングでアルバムを聴くことができた。前作はリリースするまでに時間がかかってしまったけど、『Swisher』は自分たちにとってもまだ新鮮なんだ。
今後の予定は?
しばらくツアーで忙しいよ。その後は、多分12インチを出すために動いてるだろう。
TracklistSeth Price - They Did It
Terrence Dixon - Fountain of Life
Efdemin - Acid Bells
Blondes - Bora Bora
Mary Velo - Repressed
Lucy - Triad
Laurel Halo - Sex Mission
Blondes - Swisher
Stellar Om Source - Fascination
Max McFerren - Chinatown Club Jam
Shawn O'Sullivan - Free Flight
Doron Sadja - Residuals II
Mike Parker - Fwd (Donato Dozzy Remix)