- アンダーグラウンドから響くダーティー・ハウス
- John Swingという名前は、12インチのラベルぐらいでしか見かけない。彼がEMGと共に運営するRelativeという謎多きレーベルは、ここ数年で10枚のEPを世に送り出し、埃っぽい独特なクラブミュージックを奏でてきた。作品は全てヴァイナル・オンリーのリリースであり、アナログ機材を使用し生演奏で制作している。このアプローチ(あるいは信念)は、Restoration RecordsのLucretio、Marieuらとも共通する所があり、EMGとJohn Swingは2人でVinalogという名前で活動しているだけでなく、Restorationの面々とAppointmentというユニットもやっている。
この謎めいたアーティスト集団の中でも、John Swingのサウンドがもっともパーティー向けだ。彼のスタイルはラフで荒削りだが、暖かいベースライン、重いキックドラムにクールなヴォーカルサンプルが重なる。謎に包まれた活動の仕方のせいで、DJやマニアの間でたまに名前が挙がる以外、基本的に彼の作品はあまり知られていない。クラブでかかると皆が気になるものの、にわかファンはポカンとしてしまうタイプの作品なのだ(特にRAの掲示板が良い例だ)。
John SwingのRA Podcastは、彼のサウンドの原点が垣間見れる内容であり、ラフで、ファンキーで、古いレコードのようにセピア色で覆われたミックスだ。
まずは近況報告をお願いします。
リリースの準備をしたり、マスタリングセッションに立ち会ったり、レコーディングを進めたりで、忙しかった。
ミックスの制作環境を教えてください。
自宅で、2台のタンテと1台のミキサー、そしてもちろんレコードだ。
今回のミックスのコンセプトは?
単純に、自分の音楽性を現している曲を集めた。自分の音楽のテーマは「生々しさ」と「ファンキーさ」なんだ。
あなたのレコードにはどれも一貫したプロダクションのアプローチがありますが、具体的にどういった制作の仕方をしていますか?
昔から古いレコードに魅了されてきて、プロデュースの仕方は昔の音楽の制作方法に最も影響をされていると思う。昔どうやって音楽を作っていたのか調べるのが好きなんだ。だから、アナログ機材を使って、すべて生演奏でレコーディングしている。そうやって生きている音をアナログに刻み込むんだ。
今後の予定は?
基本的には作品をリリースすることだね。次のリリースは私とEMGのプロジェクト、Vinalogの「Relative 010」。来週店頭に並ぶ。そしてEMG、LucretioとMarieuと共にAppointmentのライブの準備も進めているよ。もうすぐライブを行えるはずだ!