RA.354 Merveille & Crosson

  • Published
    Mar 11, 2013
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    79 MB
  • Length
    01:08:50
  • 美しく奇異な夜のセッション
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  • 去年の暮、Ryan CrossonとCesar Merveilleが変化球とも言えるコラボアルバム、『DRM』をVisionquestから出した。Cadenza所属のMerveilleとVisionquestの1人、Crossonは2人ともクラブ向けのテックハウスを作ることで知られているが、このアルバムに収まっていたサウンドはそう単純明快ではなかった。Tony Naylorは同アルバムを、「単純な四つ打ちビート以上の可能性をテクノとハウスは秘めていることを思い出させてくれる作品」だと評価した。その見方は正しいだろう。大胆で、トリッピーで型にはまらないこの作品は、それまであまり表面化されていなかった両アーティストの新たな一面を提示したのだ。 どうやら『DRM』はただの突発的で一時的なコラボな訳ではなさそうだ。今回のPodcastでもCrossonとMerveilleはアルバムのレフトフィールドなスタイルを踏襲し、インスピレーションとなったトラックやフィーリングの近い楽曲を集約したミックスを完成させた。 まずは近況報告をお願いします。 いつも通りだよ。レーベル仕事とか、音楽制作を進めて週末にはギグ。最近はUSでツアーしたり、BPM、Caprices Festivalでやった。やっと一緒にギグをする機会に恵まれて、本当に嬉しいんだ。この前リーズのMint Clubでイベントがあったんだけど、Robag Wruhmeも同じ夜にブッキングされていた。彼の提案で皆一緒に一晩中プレイすることになって、最高だったんだ。俺たちは昔から彼のファンだったから、すごく嬉しかったよ。 今回のミックスのコンセプトは? いつもギグでプレイしているような物よりは、アルバムのヴァイブスに近いものにしたかったんだ。家でまったりしてる時に聴きたくなるような、何回も繰り返し聴けるものにしたつもりさ。アルバムの方向性をインスパイアした楽曲や、最近出会った曲を織り交ぜた。 制作環境について教えてください お互いミックスに入れる曲のアイディアを出し合って、Cesarの家で彼の機材を使って12月ごろに録ったんだ。12月じゃなくて1月だったかな?とにかく寒かった。その後、聞き返してみて、曲を差し替えたりして詰めていった。最終的に満足のいくトラックリストができたら、Ryanの家でTechnics 1200でTraktorを使い、Allen & HeathのミキサーXone 22で作ったんだ。家で使うには最適のミキサーなんだ。 『DRM』を作る上で、ジャズに影響をされましたか? ジャズの影響は確実にあったね。 どういった経緯でコラボレーションをするようになったのですか?音楽的に、あるいはそれ以外の面でも、お互いに共通する点は何だと思いますか? Cesが数年前、俺[Ryan]のロンドンでの初パーティーのブッキングをしてくれたんだ。7、8年前だったかな。それ以来友達だったんだが、今の彼女と付き合うようになってさらに仲良くなったんだ。彼とうちの彼女は仲が良かったからさ。彼女が昼間仕事に行ってる間は、いつも彼と過ごしていた。そのうち一緒に音楽を作るようになって、いつのまにかアルバムができていた。ヒップホップからジャズ、ロック、クラシックまで、俺と彼は音楽の好みが似ているんだ。だから一緒に音楽を作るのは楽しかったし、たとえ同意しない部分があっても笑って許せちゃう関係だから上手くいったんだ。笑っている雰囲気ではお互い譲歩もしやすい。音楽制作に関してはそんなに意見の食い違いは無いんだ。 今後の予定は? 現在もう一枚EPをやる話をしていて、Visionquest、CadenzaかCircusのどれかから出す予定だ。どのくらい時間を割いて作業にあてることができるか、そしてどういった作品に仕上がるかによるだろうね。
RA