- グラスゴーから発する、架空の儀式を彩る音楽
- 「シカゴハウスからデトロイトテクノ、ディスコ、クンビア、クワイト、アフロビートまで、大西洋を横断するフューチャーアフロビートサウンド」。Auntie FloがレジデントDJを務めるグラスゴーのパーティー、Highlifeの説明文は、そのままアーティストとしてのAuntie Floを的確に描写している文章でもある。この街でかれこれ10年以上もDJ活動を続けてきたBrian d''Souzaは、Huntleys & Palmersからデビューシングル「Goan Highlife」を去年リリースしたが、Auntie Floという名前が知れ渡るようになったのは、その次の「Oh My Days」というシングルがヒットしてからだ。2011年の暮れは、どこへ行ってもこの曲がかかっているほどの人気ぶりで、Pearson Soundによるre-fixも人気を促進させた。そして今年、d''Souzaはファーストアルバム 『Future Rhythm Machine』をリリースし、彼のグローバルなサウンドは更なる脚光を浴びた。同アルバムには彼の近年のアフリカ〜南アメリカの音楽への興味が色濃く出ており、ダンスフロア向けの楽曲は二の次だと言えるストイックな内容になっている。
そんな彼による今回のRA.341は、RA史上初だろう「架空の儀式」を表現したミックスとなっている。詳しくはd''Souza本人に説明してもらうが、とにかく素晴らしいものになっていることは言っておこう。
まずは近況報告をお願いします。
あまり寝てないね。Huntleys & Palmers の5周年記念イベントをやったばかりで、SoundwayとのコラボレーションのBoiler Roomも先週やった。あと、Soundway用にリミックスを仕上げたし、KompaktとMule Musiqから出した『Rituals』のプロモーションでライブも行った。あとは最近、Esaとアナログ環境のスタジオを作ったから、彼と一緒に曲を作るつもりだ。
DJ ギグ以外では、現在MusicMappというアプリを開発中で、来年公開予定なんだ。これはバーやお店でかかっている音楽と日常的にコネクトすることを可能にするアプリで、ベータテストを今月始めるんだ。とにかく、色々と面白いことをやっているよ。
ミックスの制作環境を教えてください。
ミックスはグラスゴーの自宅のベッドルームで作ったんだ。三台のタンテとPioneerのDJM500を使って、未発表曲でTraktorを使用した以外はアナログでミックスした。何回かトライしたあと、一発録りで仕上げた。
ミックスのコンセプトについて教えてください。
これはとある架空の文化の架空の儀式で使用される音楽、という設定なんだ。世界中の儀式の音楽について読んでいたことがあって。音楽は今や西洋では商品として扱われるているが、他の国ではもっと人々と密接な関係にある身近なものだったりする。音楽はエリートだとか、耳が肥えてる人のみが楽しむ嗜好品などではなく、もっとみんなのものであるべきなんだ。
今回のミックスは最初、神秘的に始まって、そのうちもっと原始的で本能的な、トライバルなものへと変化し、そこから溢れるほどの高揚感、そして混沌、さらに宴のような雰囲気になり、最終的に浄化を迎えるという流れなんだ。まぁつまり、ナイトクラブでの一夜だ。今まで手がけてきたミックスは“楽しい”感じのものが多かったのは解っていたから、今回のはわざとハードでテクノ寄りにしたんだ。初めてテクノにハマった頃に聴いていたミックス、Jeff MillsのLiquid RoomでのプレイとRichie Hawtinの『Decks, EFX& 909』を久しぶりに聞いて、今回三台のタンテに挑戦してみた。
最近のKompaktからのリリースには、どういった経緯があったんですか?
三部作である『Rituals』は、実は三曲とも夏に同じセッションで作られた曲だったんだ。“Sun Ritual”はHighlifeのTribute to the Sunというイベント用に作った曲だ。今回が2年目だったんだけど、大きなフェスで使うような巨大な照明を大量にSubClubで設置して、お客さんにはサングラスを配るんだ。そして、Esaと俺がDJしながら照明をコントロールするんだ。ネット上に動画があるから、興味がある人は是非チェックしてほしい。“Sun Ritual”は特に上手くいったから、デモを作ってMuleMusiqに送ってみたところ、“Mela”と“Kisumu”をリリースしたいと言ってもらえたものの、なぜか"“Sun Ritual”は選ばれなかったんだ。MuleMusiqは大好きだからそのオファーは飲んだものの、試しに“Sun Ritual”をKompaktに送ってみたら、Nick Hoppnerの“Ipso Facto”と一緒にリリースできる曲を丁度探しているところで、すぐにリリースが決まったんだ。
今後の予定は?
金曜日は光栄な事に、初めてPanorama Barでプレイする。他にも 12月は色々とギグが控えているよ。そしてEsaと共に最後のFuture Rhythm MachineのライブをHogamanyで行う予定だ。来年は、より即興性の高い新しいライブを考えていて、他にも実験的なプロジェクトが色々と控えている。
TracklistCut Hands - Krokodilo Phase
Torquato & Boghosian – Paradice (Afefe Iku Remix)
Africanism – Takemussa (Dub)
Rhythm & Sound w/Tikiman – Ruff Way (Afefe Iku Remix)
Uner - Sol
Now This Is Congo – Tribal Gathering
Cabin Fever – If You So
Auntie Flo – Mela
Shackleton vs Kasai Allstars – Mukuba Special
DrumTalk – Strata
Raoul K – Envie
Daphni – Ye Ye
Offshore – Back Wynd
Happa – Beat of the Drum
Falty DL – Straight & Narrow (Mike Q & Divoli Remix)
Zulu – Kwame
HNNY – Trummor
KonKoma – Handkerchief (Auntie Flo Remix)
Auntie Flo – Kisumu
Auntie Flo – Sun Ritual
Mystica Tribe – Meditation (SD Dub)
Pepe Bradock - Decision Fatique
Chymera – Trapped in Amber (King Britt Remix)