- メロディック・メランコリー
- ApparatことSascha Ringの作り出す音楽は、ドラムとアレンジメントもそうだが、何よりもメロディーに特徴があるといえよう。2001年に発表した『Multifunktionsebene』ではIDMを彷彿させるグリッチサウンドを、2011年の『Devil's Walk』では繊細なサウンドをそれぞれ表現している。この2枚のフルアルバムのリリースにより、彼はドイツの卓越したエレクトロニック・アーティストの1人へと成長し、2006年にベルリンを拠点に活動するEllen Allienと共に発表した『Orchestra of Bubbles』をきっかけに、一気に注目を浴びるようになる。また2009年には、 ModeratのGernot BronsertとSebastian Szaryと共にコラボレーション・アルバム『Moderat』を発表している。ソロではバンド形式によるライブ・セットを披露しており、フルレングス『Walls』、そして昨年発表した『Devil's Walk』を基にしたツアーも行われている。
ミックス・シリーズ『DJ-Kicks』にも登場した彼は、DJとしての評価も高くなっている。Saschaによると、RA.326は彼の分岐点となるミックスだという。
最近の活動はどんな感じですか?
バンドのツアーも終わりに近づいているんだけれど、相変わらず楽しんでいるよ。明日インドに向かって、その後にはModeselektorのGernotとSzaryと一緒に作業をする予定だ。今年の冬は、温かくて素敵な土地を訪れるかわりに、スタジオにひきこもると思うよ…
このミックスの制作環境について教えてください。
最近再びダンス・ミュージックを聴くようになったんだ。良い作品に出会うのは時間がかかるけれど、探す価値のある素晴らしい音楽があるんだ。DJの時は、激しくてメロディックなテクノ・サウンドを頻繁に選んでいたけど、John Talabotと共演したことをきっかけに、良いムードを持った音楽を色々と発見していくようになったんだ。人生の殆どを暗い雰囲気の音楽と一緒に過ごしてきた僕にとって、不思議なことだと言えるね。最近良い気分なだけかもしれないけど。このミックスはTraktorを使用して、ツアーの途中に作ったんだ。
このミックスについて何か特別なアイディアがあれば教えてください。
前も言ったように、The Cureをはじめとするダークな音楽を聴いてばかりいたんだ。それは、僕の作り出すメロディーのインスピレーションでもあるし、幼少時代である80年代を呼び起こす存在でもあるんだ。このミックスは、そんな僕の分岐点を示したミックスなんだ。これからは、前向きな人間として進んでいくつもりだよ。永遠にね。
最近のインタビューで、子供の頃ガバに夢中だったと言っていましたね。どういったアーティストが好きだったのですか?
13歳の時に、ださいオランダのガバ・サウンドをよく聴いていたんだ。Euromasterとかも聴いていたね。そのあとBunkerやAcidplanet、そしてReferenceといったアーティストの作品を聴くようになったんだ。厳密に言うとガバではないけれど、ハード・テクノにも夢中だったんだ。シュランツといわれた、ループだけのつまらないテクノが到来するまでのハード・テクノだね。覚えている人はいるかな?
今後の予定は?
M.O.D.E.R.A.T.
TracklistSpace Dimension Controller - 2257 AD
Pional - In Another Room
Tevo Howard - Spend Some Time
Jacob Mikesh Filburth - At the Ranch (Lauer remix)
Todd Terje - Swing Star Pt II
ZZT - ZZafrica - (Julio Bashmore remix)
Jacques Greene - These Days
Glass Candy - Sugar & Whitebread
Bostro Pesopeo & Pional - Yes
College - Incident
Daphni - Ahora (Margot remix)
M83 - When Will You Come Home
Tahiti 80 - Darlin Adam Eve Song (John Talabot remix)
Zodiac Free Arts Club - Lindos Express
Tim Hecker - Hatred of Music II