R&S Records創設者の人種差別発言をEddington Againが告発 

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  • 創設者のRenaat Vandepapeliereは、メールの中で「完全なる純血の黒人アーティスト」というフレーズを使用したことについての謝罪文を発表。
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  • R&S Recordsとその創設者であるRenaat Vandepapeliereは、Eddington Againへの人種差別と無礼の告発を受けてステートメントを発表した。 9月25日、ロサンゼルスを拠点とするアーティストのEddington Again(昨年R&SのサブレーベルApolloから作品をリリース)は、彼のチームとVandepapeliereとの間で交わされたメールのスクリーンショットをInstagramでシェアした。レーベルに黒人アーティストが不足しているとの認識や、Black Lives Matter運動に対する支援の欠如についてのやりとりの後、VandepapeliereはAgainの懸念を否定して「良いレーベルを見つけるべきだ」と語り、R&Sは「完全なる純血の黒人アーティスト」と仕事をしていると述べた。このコメントは、すぐにダンスミュージック・コミュニティ全体から批判を集めた。 Eddington Againはその後、R&Sとの間で起こっているさらなる問題についても公表。現在進行中のロイヤリティを巡る争いについてのメールのやり取りを公開した。VandepapeliereがRAに送ったステートメント(ページ下参照)はさらなる批判を呼び、複数のオランダ人読者からは「完全なる純血の黒人アーティスト」という言葉の彼の説明に異議を唱える意見メールがRAに届いた。Vandepapeliereのステートメントを公開するにあたり、RAはそこに含まれる考えや意味合いを容認したり、同意したりすることはなく、人種差別や人種差別的な言葉には断固として反対している。 Resident Advisorに寄せられたステートメントの中で、Eddington Againは次のように記している。
    私とR&Sとの問題は約1年半前、R&Sを紹介してくれたA&RがRenaatとの度重なる口論の末辞めてしまったことから始まりました。その時に初めて、レーベルとの決別が必要だと気付いたんです。それ以来、R&SのRenaatやAndy Whittakerに見下され、軽視されていると感じたことが何度かありました。 遅れて届いたロイヤリティの明細書にある誤った分割金を受け取った後、私は何度も契約解除の書面を求めました。George Floydの死と黒人の命のための世界的な運動が起こって以来、R&Sはこの問題について何も発言しなかったのです。人種問題に対する白人の沈黙は究極的には暴力であるのだと、私は経験を通して学びました。 私はRenaatに、なぜこのような件について沈黙を貫くのかと尋ね、また、ロスターにおける多様性の欠如に対する懸念を伝えました。私ははねつけられ、何の話をしているのか分からない、移籍する必要があるとまで言われました。何度もメールを無視され、一貫して無礼な態度を取られた後のRenaatとメールでのやり取りの中で、彼はこう言ったのです。「私は今、完全に集中して自分の人生を費やせるような、完全なる純血の黒人アーティストを見つけられたと願っている... 」 Renaatが馬のブリーダーであり、R&Sのロゴにも使用しているという事実がこのコメントへの嫌悪感をさらに煽りました。私の懸念を無視していることに加えてこれが決定打となり、私は公表することにしました。 このメールは急速に拡散されましたが、Renaatは自身のコメントを否定せず、ロスト・イン・トランスレーションに陥っただけだと事態を正当化しました。今は2020年です。レコードレーベルを経営したり、カルチャー業界で働いているならこの空気も読めるはずなのに、いまだに謝罪もなければ説明責任も果たさず、代わりに私を黙らせようとしているのです。信じられますか?さらに彼はInstagramで私をブロックしました。 Renaatと彼のチームは引きずり出され始めてから契約解除の書面を送ってきましたが、R&S側は、私が投稿を削除し、ソーシャルメディアや報道機関で本件に関する発言を控えた場合にのみ、契約を解除すると主張しています。 R&S/Apolloは通告なしに私のEP「Damani3」をストリーミングから外した上に、私の音楽を元に戻すためのIRSCコードを未だに私に送ってきていません。
    RAがコンタクトを取ったところ、Renaat Vandepapeliereからは以下のステートメントが届いた。
    R&S Recordsでは、人種間の平等、非差別、そしてセンシティヴかつリスペクトのある論議の緊急性を深く確信しています。それ故、私と元Apollo RecordsのアーティストであるEddington Againとのメールのやりとりによって生じた誤解に対してお詫び致します。 R&Sは決して偏見のある組織ではありません。私たちの情熱は人と音楽に対するものであり、目下のメッセージがEddington Againや他の誰かを不快にさせることを意図したものではないことを、ここで皆さんに保証したいと思います。 Eddington Againとの白熱した個人的なメールのやりとりの中で、私は情熱と想いを込めて返信しました。これは、私がR&Sレコードと、私が非常に感銘を受けている新たに契約したアーティストの両方に抱いている愛によって、衝動的に動機づけられたものです。オランダ語では、生来の才能、真の芸術性への情熱を表現するために、疑問の余地のある身近なメタファーが使われます。しかし、私は返答を急ぎすぎて、英語での響きの違いを考えていませんでした。また、その破壊的な意味合いにも気付かず、今となっては深い後悔以外の何物でもない決断をしてしまいました。 私の発言が引き起こした憤りを理解し、この問題での自分の責任を回避したくないですし、Eddington Againとのやりとりにおいて不可欠な気配りができなかったことを認めます。だからこそ、アーティスト本人と、私の言葉の選択によって影響を受けた方達に対し、心からの謝罪をしたいと思います。 さらに、私は特権が社会に及ぼす影響について自分自身を教育することに最も力を入れていることを強調したいと思います。インディペンデント・レコードレーベルとして、R&S Recordsは常にあらゆる方向性やバックグラウンドを持つ人々のためのプラットフォームであり続けてきました。そして、この多様性に対応するための努力がなければ、私たちのレーベルは成り立ちません。だからこそ、R&Sではあらゆる方向性、ジェンダー、バックグラウンド、そして肌の色のアーティストを歓迎しており、インクルーシヴで、すべての人に開かれたクリエイティヴな空間を確保していることを強調したいのです。 とはいえ、ショックを受けたすべての人には申し訳ない気持ちでいっぱいです。あらゆる言語には、私たちの多くにとって有害な、歪んだ蔑称的な概念が蔓延しています。これらの概念は、私たちの社会を悩ませる数多くの巧妙なもしくは無造作な抑圧の形態の1つであり、私たちR&Sはそれに立ち向かおうと努力しています。間違えては、一歩ずつ、一語一語。
    R&S Recordsから寄せられた別のステートメントには、レーベルはAgainとの契約を終了し、すべてのストリーミングサービスから彼らの曲を削除したと記してある。その後、Eddington Againは元Apollo RecordsのEP「Damani3」を自身のBandcampにアップロードした。
RA