文化庁による文化芸術活動への緊急総合支援パッケージの申請受付が開始

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    Fri, Jul 10, 2020, 09:00
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  • 総額560億円の予算の中で、フリーランスと小規模団体を対象に最大150万円の活動経費を補助。
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  • 文化庁による新型コロナウイルス関連の支援事業、文化芸術活動への緊急総合支援パッケージの申請受付が、本日7月10日(金)よりスタートした。 6月12日に成立した令和2年度第2次補正予算のうち、文化庁が計上した総額560億円に及ぶ本事業。そのうち509億円が投じられる「文化芸術・スポーツ活動の継続支援」は、活動再開に向けての必要経費を支援し、文化芸術・スポーツの振興を図ることを目的としている。 支援対象は、標準的な取組を行うフリーランスを含む個人事業者(最大20万円)、動画収録・配信による活動の発信等、より積極的な取組を行う個人事業者(最大150万円)、そしておおむね20人以下の小規模団体(最大150万円)の3つに分類される。対象となる条件は、不特定多数に公開することによってチケット収入などをあげることを前提としたものであり(配信のみを前提としている者・団体は対象外)、COVID-19によるイベント開催制限に大きな影響を受け、さらには速やかな再開が困難である、あるいは感染防止のために従来と同様の収入が確保できない可能性がある活動に携わっていること。個人については、プロの実演家や技術スタッフなどであることが求められるが、文化庁の資料には「DJなど従来の文化庁事業で必ずしも明示していなかったものも、対象となりうることを想定」と明記されている。 対象となる取り組みは、(1)過去の公演の動画配信などによる国内外の観客の回復・開拓、活動継続・再開のための公園・制作方法の検討・準備・実施(自主稽古や活動再開のトライアル公演、無観客配信もこれに含まれる)、雇用契約書の作成などの活動を含む、“活動計画”の実施の必要経費のほか、(2)それらの取組と併せて実施する新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドラインに即した取組(衛生対策や、感染症対応のトライアル公演など)。補助対象経費としては、経費、旅費、消耗品費、通信運搬費などが想定される。前述の金額を上限とし、(1)の経費に関しては3分の2または4分の3、(2)の感染拡大防止に関わる経費は定額で補助される。対象として認められるのは、2020年2月26日から10月31日までの事業に発生した経費であり、申請は原則1団体・1個人につき一度限り。本事業の申請期間は本日から7月31日までの第1次募集と、8月8日から8月28日までの第2次、9月12日から9月30日までの第3次の計3回を予定しているが、第3次募集は行わない場合もあるとのこと。尚、本制度は、経済産業省による中小企業向けの持続化給付金との併用も可能となっている。募集要項はこちらをチェックしてみてほしい。 新型コロナウイルス関連の文化芸術関連への支援を巡っては、音楽(SaveOurSpace)、映画(SAVE the CINEMA)、演劇(演劇緊急支援プロジェクト)の3つの業界団体が、文化芸術復興基金創設に向けて#WeNeedCultureと題したアクションを5月下旬に立ち上げていた。日本以外では、先日イギリス政府が、芸術文化や遺産産業を対象とした、総額15億7000万ポンド(約2100億円超)の財政支援パッケージを発表した。 Photo credit: Green Planet / 写真AC
RA