音楽が都市に与えるインパクトを数値化、東京でもCreative Footprint調査が始動

  • Published
    Wed, Apr 10, 2019, 01:15
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    Wakaba Kimura
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  • ベルリン、NYと次いで、東京でも2019年に都市の音楽文化にフォーカスした調査が観光庁の支援を受けて始まった。
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  • Creative Footprintは対象都市における音楽・舞台芸術等のシーンの活気と発育を数値として指標化することで、文化の担い手であるクリエーターと行政側のポリシーメイカーの間をかけ渡す事を目指すNPOによる調査だ。東京でこのような調査が行われるのは初の試み。 調査は3つの柱を主軸としており、空間、コンテンツ、それからフレームワーク––すなわち法整備状況等の文化を取り巻く条件––の3つの角度から分析が行われる。各軸の評価方法にあたっては、音楽施設の数や規模、イベント数などのビッグデータからアプローチ可能な定数的なデータのみならず、ワーキング・グループを設置する事で精通者に各施設におけるプログラムの「内容」「多様性」「表現の幅」といった主観的な評価についてもデータを集め、地域の分析を行うという点でこれまでに無かった調査となっている。実験性や芸術性の高いコンテンツの作成に注力しているクリエーターこそ、都市の魅力づくりに貢献しているイノベーターでリスクテーカーである故に守って行く必要がある、というのがCreative Footprintが始まった背景にある。 これまでに調査対象となった都市では、総合得点10点のうち、ベルリンでは8.02点、NYでは7.29 点という結果が出ている。 東京での実施にあたっては、観光庁の支援を受けプロジェクトを実施。提唱人の元アムステルダム・ナイトメイヤーのMirik Milan氏とベルリン・クラブコミッションのスポークスマンを務めるLutz Leichsenring氏、日本での風営法改正の立役者・斎藤弁護士、および、NYを拠点とするアーティストマネジャー高山氏が、アーティスト、オーガナイザー、メディア、クラブ関係者等の精通者から課題をヒアリングし、都市開発や政策決定を行う行政や企業等の意思決定者との関係構築のため東京を訪問した。東京Red Bullスタジオに集まったクリエーター総勢70名と意見交換を行なった。 Creative Footprintの成果は今年11月のナイトタイム・サミットで報告される。報告結果を受けて数値として洗い出される、東京固有の課題の解決を目指し、世界でのベスト・プラクティスが共有されるカンファレンスの形で各地のナイト・メイヤーが東京に集められる。 東京を拠点とし、調査に協力可能な方は、Creative Footprintのウェブサイトのこちらのページから登録が可能だ。
RA