Published
Tue, Jul 17, 2018, 05:00
- 価格最大30%の引き下げが小規模製造者を直撃している。
Eurorackモジュールの価格が低下している。
Eurorack製品の需要は引き続き上昇中で、大手の音楽機材小売店がより一層在庫の仕入れを増やしている。製品の供給増加と製造メーカー自体の増加により、大型小売店は、メーカーに対して価格の引き下げ圧力をかけるようになった。引き下げ率は最大で30％にも及び、小規模な製造者の一部にとっては危機的な状況となっている。ドイツ・ベルリンのシンセサイザー販売店兼ディストリビューターSchneidersLadenと、音楽テック系カンファレンスSuperboothを主宰するAndreas Schneiderがこの問題を提起した。
声明文は以下の通り。「ヨーロッパでのEurorack製品の需要増加により、大手の音楽機材小売店までもが自社の倉庫いっぱいにEurorack製品を詰め込むようになり、シンセサイザー製造メーカーから完成品はもちろん、仕入れられるものは何もかも仕入れようとしている。この動きを歓迎しているメーカーももちろんいるかもしれないが、この市場での氾濫はすでに価格の低下を招いている」
Schneiderは上記の声明に続き、小規模な製造メーカーが持っていることが多い革新性が失われてしまう危機があること、草の根からのサポートの重要性を訴える投稿をしている。「30%もの価格引き下げにより、シーン全体から、製造メーカーも、革新性も、全体的なサポート体制も減少してしまうかもしれない」。また、競争の概念と自由市場の意味するところについては「この市場に参加していたほぼ全員がずっと保ってきた、多様性や非競争的なカルチャーが失われつつある。現在の発展的な状況から利益を得て、何ユーロか儲けることはできるかもしれないが、Eurorackの将来がどうなるのか、一度立ち止まって考え直してみてほしい。あなたはこの市場の一部で、あなた個人の決断が市場全体に関わってくる」。
Eurorackの市場での状況については、RAのSchneidersLaden特集で詳しく解説している。