Behringer設立者Uli Behringerが訴訟の反響について返答

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    Wed, Jun 27, 2018, 08:28
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  • 「私は言論の自由を強く支持する。建設的な批判であれば、どんな形でも歓迎する」と発言。
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  • 音響機材メーカーBehringer設立者のUli Behringerは、中国のテック系メディアMidifanの同社への名誉毀損に対する告発と、Dave Smith Instrumentsへの賠償金申し立ての2件の法的手続を進めることについて、返答を発表した。 Uli Behringerは、テック系オンラインマガジンCDM書簡を送り、あわせてFacebookグループMusic Tribe Academyに投稿し、同社における自身の立場を説明した。「我々は批判する人々がいても構わない」と述べた上で、続けてMidifanのサイトで使われた名誉毀損的な発言について触れ、「中国の文化では、物事に対する感覚や合法性が他とは非常に異なっている」と述べた。 「我々は同メディアの所有者に発言撤回と削除を求める通告書を送ったが、事実と異なる報道をしたことについては決して謝罪しなかった」と説明は続き、「メディア所有者に対しては以前から、攻撃的な発言を削除し、今後こうした中傷をしないように申し入れてきた。この問題はいずれ解決するおものだと考えており、メディア所有者にも、いつでも弊社を訪問してもらいたいと声をかけている」。Behringer工場の工員は労働者への福利厚生や安全性を求めるストライキを継続中だが、Behringerは、同社工場がある中国・広東省の中山工場地帯の中で「労働者の待遇が良い会社No.1」に挙げられていると発言した。 また、Dave Smith Instrumentsの件について、Behringerは「まず、この件が個人に対する訴訟ではなく、競合メーカーの代表者に対するものであることをご了解いただくことが肝心だ。DSI(Dave Smith Instruments)の従業員による、虚偽に満ちた軽蔑的なコメントは、我々のように競争が激しい業界ではダメージが大きく、不適切なものだ」と発言している。続けて、Behringer本人が認識している知的財産法の解釈について述べたのち、「告訴とは、ゲリラ戦法的に使用されているもので、特にアメリカでは非常に一般的なものだ。アメリカでは訴訟にかかる費用は恐ろしく高額で、告訴する側もされた側も、裁判の結果にかかわらず費用を払わなければいけない。知的財産に関する訴訟は相手方をビジネスの場から追い出すために行われるため、この領域での裁判が非常に多いのはそうした理由だ」と続けた。Dave Smith Instrumentsは現在、この件に関してBehringerに賠償を求めている。 Behringerは自社の戦略を擁護するため、リバースエンジニアリング(訳註:完成品を分析して作り方を調べ、製作すること)による他社製品の再創造というコンセプトを押し出している。「一点明らかにしておきたいのは、他者が製作した製品をあからさまに盗作することと、リバースエンジニアリングの原則との間にある差異だ。製品を原寸でコピーするのは明らかに違法だが、リバースエンジニアリングは日常的に行われており、ベンチマークという製品開発過程の一部として認識されている」 彼は書簡の後半で「何度か訴えられたことがある」と認めているものの、30年前のAphexとの争議以降裁判では負けていないと言った。「最初の20年間、弊社は市場のリーダー達が先導する方針に従って、似たような機能や外見の製品をより低コストで作っていた。この、手頃な価格帯は競合他社の多くを苛立たせたものの、同時に、顧客内に巨大なファンベースを獲得することとなった。同等もしくはより良い製品を明らかに安い価格で発表するという技術があることで、競合他社が不満に思うであろうこと、それこそが他社から弊社に向けられている怒りの大部分の原点なのだと、明確に理解している」 Uli Behringerの書簡の全文はCDMで読むことができる。
RA