Spotify上場、時価総額265億米ドル(約2兆8000億円)に CEOがDaft Punkの歌詞を引用

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  • ストリーミング大手の初日の終値は149.01米ドルとなった。
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  • スウェーデン拠点のストリーミング大手Spotifyの株は4月4日、ニューヨーク証券取引所で初日の取引が行われた。 これまでにもお伝えしたように、直接上場という異例な形で上場した同社は、保有する株の91%にあたる1億7800万株を公開した。Spotifyはこれまでに直接上場した企業の中では最大手となる。ニューヨーク証券取引所は、同社の株の参考価格をこれまでの非公開時の株価に近い132米ドルと設定していたが、同社のビジネスモデルについての憶測が飛び交う中で、最高で165.90米ドルまで値上がりし、終値は149.01米ドルに落ち着いた。終値での評価額は265億米ドル(約2兆8000億円)となった。 個人向けフィンテック企業SmartAssetの最高責任者であるMichael Carvinは「投資家達は今は判断保留中だ」とReuters通信社の取材で語っている。「Spotifyの規模がApple Musicの2倍ほどあるとはいえ、Appleは自社サービスを売り出すための巨大なエコシステムを持っている」 Spotifyはストリーミング市場では最大手であり、音楽産業での同社の重要性も高まっている。この躍進によって、昨年は各レーベルと支払い額について再度調整を行い、売上総利益(収益から経費を差し引いた額)は前年より21%上昇した。しかし、これまでに同社は黒字経営になったことがなく、またAmazonやAppleによる競合サービスはSpotifyよりもかなり多様な楽曲を配信している。 SpotifyのCEOであるDaniel Ekは、初日の取引の前に同社のサイトで公開レターを投稿した。彼は同社の使命を「何百万ものクリエイティブなアーティスト達が自身の芸術で生計を立てられる機会を与えることで、人間が持つ潜在的なクリエイティビティを解放し、また何十億人ものファンがその芸術を楽しみ、インスピレーションを受けることを目指す」とし、続いてDaft Punkの歌詞を引用し「Harder, better, faster, stronger」と記した。しかしこれまでのところ、Spotifyはアーティストへの著作権料の支払い額が低いことで長年批判を受けている。 Spotifyにとっては比較的スムーズな取引初日となった。ニューヨーク証券取引所は同社の上場を祝って同社ロゴの横断幕と共に国旗を掲揚したが、スウェーデンではなく間違えてスイスの国旗を揚げてしまうというハプニングもあった。
RA