イラン人DJデュオBlade & BeardがUKへの入国を拒否される

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    Mon, May 1, 2017, 09:07
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    Resident Advisor
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  • 2人は自身らが出演したドキュメンタリー映画『Raving Iran』の公開記念イベントでパフォーマンスする予定だった。
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  • 先日、ロンドンのVillage Undergroundでの映画『Raving Iran』の上映会に出演を予定していた2人のイラン人DJが、UKへの入国を拒否されていたことが分かった。 Blade & Beard名義で活動するAnoosh RakiとArash Shadramによると、彼らは今回の件に対し「非常にショックを受け、失望した」とコメントしている。イベントのプロモーションを担当していたUnleashは、「Anooshのビザ申請がジュネーブのイギリス大使館で拒否された」と明かした。一方、イベントのスポークスマンによると、Arashには「拒否、あるいは取得通知が送られていなかった」とのことで、つまり彼もまたUKに入国できる状態ではなかったという。Arashの申請は3月半ばに、5営業日以内に結果が下りることを保証する特急審査サービスを利用して行われた。 今回彼らがロンドンでのプロモーションに参加する予定だった映画『Raving Iran』は、ドイツ人映像作家Susanne Regina Meuresが手掛けたドキュメンタリーであり、AnooshとArashが母国で受けた迫害をテーマにした作品。プレスリリースによると、本作は「音楽への情熱でイランの体制に反抗しようとする2人の若者の人生を追った」映像だという。 「僕たちはイギリスを訪れ、ロンドンのVillage Undergroundで行われるUnleashでプレイすることをとても楽しみにしていました」と、AnooshとArashはコメント。「僕たちはアーティストとしての道を進むべく希望を持ってイランを離れ、ようやく世界中で自由にプレイできるようになりました。イギリスのようなリベラルで民主的な国でさえ、政治がアート、そして自由に介入してくるのは残念。今回はイベントに出席できず、そして僕たちが持ち続けてきた情熱を皆さんと共有できずに、ごめんなさい。それでも僕たちは夢を追い続けるし、いつの日かイギリスを訪れ、多様で素晴らしい街で僕たちの音楽を演奏できることを願っています。」尚、2人がUKのビザを申請したのは今回が初めてだという。 Unleashは次のようにコメントしている。「ビザの申請に必要な書類は全て提出していたにも関わらず、Anooshは英国ビザ・移民局から、彼のビザ申請を拒否するという書面を受け取りました。理由は、当局が“あなた(Anoosh)が本物のビジターであり、滞在予定期間の最後にUKを出国するという確証が持てない”から。また、Arashは大使館から返答すら届きませんでした。我々は数えきれないほど何度も電話やメール、郵便で大使館にコンタクトを取ろうと試みましたが、未だに正式な拒否通知や説明は受けていません。AnooshとArashに対しては誠に遺憾であり、彼らのUKデビューを楽しみにしてくれていた皆さんにはお詫び致します。 」 6月3日にダルストンのRio Cinemaで行われる上映会の主催者であるCommuneは、次のようなステートメントを発表している。「我々Communeは、今回AnooshとArashがビザの問題によって、Village Undergroundで華々しいロンドンデビューを実現できなかったことを非常に残念に思います。彼らの素晴らしいストーリーを広める為だけではなく、中東のユースカルチャーUKに対する我々の視点を変える為に、この映画のプロモーションを続けることはとても重要です。イランには、ダンスミュージックへの情熱を持った若者がたくさんいます。この映画が、彼らが苦しみ続けている抑圧的な政権の弱体化に役立つことを願います。」 尚、Village Undergroundでのイベントは予定通り開催され、Blade & Beardに代わってAmiraliが出演した。 『Raving Iran』のトレイラーは以下でチェック。
RA