神奈川新聞のウェブ版「カナロコ」が報じるところによると、神奈川県藤沢市の湘南海岸を代表する海水浴場である、片瀬西浜海水浴場の海の家で今夏、音楽放送が全面的に禁止されることが決定した。
ここ数年、海の家を会場としたビーチパーティーは日本でも人気となっていたが、湘南海岸では一部の店が大音量の音楽を流し近隣からの苦情が相次いでいたとのことで、市や警察からの自粛要請を受け、海水浴組合が徹底した音楽放送の自主規制の方針を決めたという。問題となっているのは、単純にBGMとしての音楽放送ではなく、昼から日没後まで大音量でダンスミュージックを流している数店であり、国道を超えた住宅街にまで重低音が響き渡るなどの騒音問題の他、けんかや違法駐車などによる110番通報はひと夏で数百件に上るという。
同海水浴場を開設している江ノ島海水浴場協同組合は昨年7月、地元の藤沢署から海の家の大音響について自粛要請を受けていたが、その時既に海の家を設ける業者が確定していたため、軌道修正できなかったという。そして今年2月、藤沢市は「海水浴場開設・設置に向けての要望書」と題する異例の要請文を市内三つの海水浴場（東浜、西浜、辻堂）へ送り、近年「クラブ」化している海の家について、2013年度以降、自粛するよう要請した。江の島海水浴場協同組合の新井進専務理事は「エスカレートして歯止めがきかなくなれば、条例などで規制が強化されてしまう可能性もある。もし許可が下りなくなって困るのは海の家の経営者。組合員が一丸となって徹底した自主規制で改善したい」とコメントしている。