アムステルダムのTrouwが24時間営業のライセンスを取得

今回の法律制定はどのようないきさつで実施されたのですか？ ここ10年ほど、アムステルダムのクラブシーンに関わっている様々な人々から、営業時間を延ばしてほしいという声が増えていた。アムステルダムには公式の市長とは別に、非公式の“夜市長”が居て、彼は市議会で街のナイトライフ、クラブライフを代表しているんだ。ここ10年ほどの夜市長は全員、お店の深夜営業時間を増やすことを主張してきたんだ。ベルリンが毎回引き合いに出されたが、市議会は中々何も変えようとはしなかった。しかし、一年ほど前に就任した新しい市長はより実利主義的で、アムステルダムにもベルリンやロンドンなどのクリエイティブな街に負けない24時間経済がほしいと考えている人だった。そしてもう一つの理由は、すべてのクラブが同時に5時に閉まると、深夜の路上に人々が溢れて問題が起きるという点だ。 しかし、だからと言ってTrouwが今後週7日間、24時間営業し続けるわけではありませんよね？週末のイベントはどのように変わるのですか？ 基本的には、少しずつ営業時間を拡大していき、様子を見る予定なんだ。深夜の遅い時間帯、3時や4時にどんどん盛り上がってきて、雰囲気も最高な夜だったら6時や7時までオープンしてみてもいいと思う。来月はBen KlockやLaurent Garnierがプレイするから、良い機会だ。DJやお客さんにもよるし、スタッフがそれだけの時間働けるかにもよってくる。4月にはスペシャルな週末イベントを計画していて、土曜日からそのまま日曜日へと続くロングイベントを行うかもしれない。 これはあなたにとって長い事願っていた夢が叶った状況ですか？ 2年ほどずっと議論されていた事なんだ。もちろん、まだクラブシーンやビジネス面にどういった影響を及ぼすことになるかはわからないんだがね。それに、この事によって人員を増やす必要もあるし、スタッフに今まで以上長い時間働いてもらうよう説得する必要もでてくる。しかし重要なのは、この街のクリエイティブフリーダムが増えたということだと思う。ゲストDJにロングセットをやってもらう事が可能になる。レジデントDJには今まで以上に良い時間帯のスポットが与えられる。今まではレジデントDJがヘッドライナーのためにフロアを暖めることが多かったが、これからはローカルの新人がオープニングを務めて、世界的なヘッドライナーの後の残りの時間に３、4時間のセットをメインのローカルレジデントにやってもらう。これはすごく良い流れだと思うし、楽しみだ。 営業時間が増えることを客も歓迎すると思いますか？ 人々はより長い時間パーティーしたがっているのは、間違いないね。前から色々な人に言われてきたんだ。しかし、オランダの客は、例えばベルリンの客とはちょっと違うんだ。ここの人々は12時から6時ぐらいまで遊ぶのに慣れていると思う。アフターパーティーもアムステルダムではよくあるが、週末のイベントが変わるなら生活の習慣も変えなくてはいけなくなる。土曜日のイベントが日曜日の午後まで続いたら、雰囲気が随分変わるだろうね。 このライセンスが与えられるかもしれない他の店もご存じですか？ ああ、許可が下りる予定のクラブが他に2軒あるんだ。1軒はParadisoが設立したコンサート会場のような場所で、アムステルダムの北に位置する。もう片方は古いShellの建物を改良したクラブで2015年オープン予定だ。ホテルのバーやジムなど、24時間経済に貢献しそうなほかのお店にもライセンスが与えられる予定らしい。許可が下りたクラブの中で、現在オープンしているのはうちだけなんだ。