Sounding off: Found sound

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    Tue, May 31, 2011, 07:36
  • Words
    Resident Advisor
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  • フィールドレコーディングが、オリジナルミュージックをどのように形作るのかを見てみよう。
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  • 今週のコラムでは、先日RAが行ったTommy Four Sevenとのインタビュー「英語」ピックアップ。私達にインスピレーションを与えてくれるような記事だ。Tommyは彼の代表的なジャンルであるテクノが好きである一方、似通ったドラム、シンセサイザーの音に飽きてしまったという。そして僕たちに音楽の奥に潜む真実について語ってくれた。すべてのトッラクは音の集合である。どんなものでも曲に成りえるのだということを。 音楽という言葉を辞書で調べると、「ひとつにまとめられた音」と載っている。その言葉に則れば、この世に存在する全てのサウンドは音楽になるという事になる。そう、音楽は、常に自然界の音からインスピレーションを多く受けている。一つの例として、あるクラシックの曲には鳥の声が旋律として入っていたり、デトロイトテクノでいえばデトロイトという都会の環境から作り上げられたインダストリアルなサウンドとリズムもそうだ。 自分の周りに存在する音をよく聴いて、フィールドレコーディングをしてみよう。するとミックスに使えるようなフリーケンシーが存在することに気がつくはずだ。例えば、低音やパッドのサウンドは、街のノイズや、草が風になびくような落ち着きのあるものに取って替えることができる。凍りつく寒さの中での風はダークなテクスチャーを曲に与えるように、気候も曲に様々な変化をもたらす。 曲を作る過程において、もうすでに見つけられた音を違った形で表現することもできるのだ。Tommyのように太い音に加工したものをオーバドライブによってめちゃくちゃにすることも一つの方法であるし、自分自身のアプローチを作るのも良い。フィルタリングとEQによって余分な音をそぎ落とし、よりリッチなサウンドを作ることもできる。エフェクトを連続させるのではなく、様々なものを衝突させた音を録音してサウンドを生み出すという彼の手法はとてもユニークだ。それはエフェクトをただ単に作るのとは違って、何層もの音を積み重ねる作業は手間も時間もかかるからだ。層が4から5層に変わるだけで、驚くべき変化もある。 何故シンセサウンドではなくフィールドレコーディングがこういった音のルーツになるのか疑問に思う人もいるだろう。もちろん、シンセサイザーやドラムサウンドでも音のルーツを感じることが出来る。だが自分で録音した、言わば自然の音には機械とは違う感情的な要素が含まれる。録音したものを聴くと、その当時の思い出も蘇ってくる。もうその時点で何か特別な感情が出てくるのだ。さらに、オーディオドメインで作られた作品とも違う。いつもの音楽作成方法に飽きたら、是非試していただきたい。キーボードやコントローラーを隅において、レコーダーを持ち出して来るのはどうであろうか?
RA