2017年はインディーアーティスト楽曲売り上げが約30%増加、業界アナリスト調査

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  • 昨年、音楽業界で最も売り上げが増えたのは、ファンに直接楽曲を販売しているアーティストだと分析。
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  • 2016年から2017年にかけての録音音楽のセールス全体での収益のうち、Bandcampなどの販売プラットフォームを利用しているアーティストの売り上げが、前年比で30%近く上昇したことが、音楽業界アナリストによる最新の調査で明らかになった。 音楽業界アナリストのMark Mulliganは、自身のブログMusic Industry Blogの中で、Bandcamp、CD Babyなど、アーティストから顧客に直接販売する形式のプラットフォームを利用しているアーティストによる売り上げが、2016年の3億7100万米ドル(405億1691万円)から、2017年には4億7200万米ドル(515億4712万円)へと、27.2%も増加したとレポート。音楽業界の世界市場において、こうしたプラットフォームでの販売収益が占めるシェアは僅か2.7%ではあるものの、昨年の業界内で最も急激に上昇した分野であり、ますます分散化が進む音楽販売市場のなかでの重要な指標であると語っている。 録音音楽全体での収益は、2016年の1600億米ドル(1兆7462億4千万円)から、2017年は1740億米ドル(1兆8990億3600万円)と、1年で8.5%上昇した。メジャーレーベルの独占状態は予想通り続いており、Universal Music (52億米ドル、5675億2800万円)Sony Music (36億米ドル、3929億400万円)、Warner Music (31億米ドル、3383億3400万円) と、3社をあわせての市場シェアは70%に及ぶ。一方、インディーレーベル全体での合計売り上げは48億米ドル(5238億7200万円)となっている。 また、ストリーミングサービスによる売り上げは依然として録音音楽の収益を牽引しており、昨年は74億米ドル(8076億3600万円)を売り上げ、市場でのシェアは43%となった。 同レポートではまた、彼の分析で出た数値は、先日発表された(IFPI(国際レコード・ビデオ製作者連盟)による調査で発表された数値とも近い結果であることや、現在の録音音楽市場の規模が2008年とほぼ同様であることから「過去10年間で減少した分の売り上げを取り戻したと考えられる」という見解も記されている。
RA