Published
Thu, Aug 13, 2015, 07:40
- 「次のレコードでは、音楽そのものを作るのではなくレコードの説明を書きます。」
Matthew Herbertの最新“アルバム”は、彼が「音楽そのものを作るのではなくレコードの説明を書いた」作品となる。
新作アルバム『The Music』は書籍のみでのリリースとなり、音楽は一切収録されないという。Herbertは次のようにコメントしている。「それぞれのチャプターでは、どんなサウンドが使われるのか、そのサウンドがどうまとめられるべきか、そして最終結果として得られるであろうサウンドの概算などの、正確な詳細を書き記します。実際に、十分な時間とアクセス、そしてリソースがあれば、この作品は音源として録音することができるはずです。しかし、私はこの作品をレコードにはしません。（このアルバムは）音楽そのものの記述としてのみ存在するのです。」
このUK拠点のエクスペリメンタル・アーティストは、今年6月にHerbert名義でのニューアルバム『The Shakes』を発表した。Herbert本人によると、今回リリースされる書籍では、過去100年間における音楽制作方法の大きな変化を紐解くとのことだ。「この本を、そういった変化を明白にするサウンドに関するマニフェストのような作品にしたい」と、彼は語る。「この作品には楽器やリリックはありません。その代わり、イビサでの休暇中のSamantha Cameron（イギリス首相の妻）が、David Cameron（イギリス首相）の背中に日焼け止めクリームを塗り付ける音と、2万1000人のタクシードライバーが同時にエンジンを止める音がミックスされた音に関する文章を読めるでしょう。今作が、皆さんが音楽やサウンドについて考えるきっかけ、そして世界に耳を傾けるきかっけになれば幸いです。」
現在、本プロジェクトを実現する為のクラウドファンディング・キャンペーンが行われている。詳細はこちらからチェック。