Sidney Charlesが初来日

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    Mon, May 19, 2014, 10:13
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    Resident Advisor
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  • 来週末に東京と大阪でのギグを控えているドイツ人新鋭アーティストに、RAがメールインタビューを敢行。
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  • ベルリン拠点のDJ/プロデューサーSidney Charlesが、来週末ジャパンデビューを果たす。 Sidney Charles Hurricane Vieljansは2011年のデビュー以来、AvotreやSession Deluxe、8bit Recordsなどのレーベルから積極的に楽曲を発表しており、この3年間で20もの作品をリリースしている。ここ日本ではまだ名が知られていないかもしれないが、ドイツやUKでは活発にギグを行っているほか、今年の夏はイビサのSankeysでレジデントを務めることも決定しているなど、多忙な日々を過ごしている。今回が初来日となるCharlesは、5月30日(金)表参道ORIGAMI、翌31日(土)は大阪Circusでプレイすることが決定している。RAは先日、来日を目前に控えた彼に以下のメールインタビューを行った。
    まずは自己紹介をお願いできますか? うーん、ディープな質問だね。何時間でも話せそう。とりあえず、音楽に関する部分だけ話そうかな。まずDJに関してだけど、1つのセットは音楽の旅のようなものであるべきだと思っている。ストーリー性のあるセット、それも僕自身が描くストーリーだ。90年代後期のハウス/テクノムーブメントには大きく影響を受けたよ。でも昔に固執しているだけじゃなくて、今っぽい音もスパイスとして加えるようにしてる。僕のセットは常にエネルギッシュでレイヴィーだけど、お客さんが飽きないように、たまにヒプノティックでダウナーな音をかけることもある。自分の曲もよくかけるけど、そういう時は大体未発表曲とか、出来立ての曲だね。現場でテストプレイするような感じさ。 プロダクションは、ほとんどDJユース、フロアユースな曲を作っているよ。つまり、お客さんをフロアで踊り続けさせることを目的としているわけだから、必然的にアゲめなグルーヴの曲が多くなる。でも、それ以外のスタイルも、いろいろ試して楽しんでるよ。4つ打ちじゃなかったり、ブレイクビーツだったり、壮大なランドスケープを持ったムーディーでアトモスフェリックな曲を作ることもある。 徹底的にアンダーグラウンド志向でいることは、僕にとってとても重要なことなんだ。初めてハウスミュージック・シーンに触れた時、僕はメインストリームから離れて、アンダーグラウンドなムーブメントの一部でありたいと強く思った。今まで聴いた事もないような新しい音楽に触れた時の感覚は素晴らしいものだよ。今でもクラブでハウスやテクノを聴いた時に同じような気持ちになることはあるし、その新鮮さはこれからも忘れないようにしたい。 あなたのバイオグラフィの中には「彼はミュージシャンでもなければ、パーカッショニストでもない。彼はコレクターである」とありますが、これはどういう意味なのでしょうか? 僕は音楽の教育を受けたわけじゃない。それに、僕が作ったりプレイしたりする音楽は全て、ハウスやテクノに対して感じる個人的な感情をもとに作ったものだということを伝えたかったんだ。前後の文章を読んでもらえば分かると思うんだけど、間違ったイメージを持ってもらいたくないんだよね。僕はピアノもギターも引けないし、ドラムや他のパーカッションも叩けない。こうして音楽をやっているけど、特別な教育を受けたわけじゃないんだ。 コレクターという部分に関しては、僕の旅に対しての姿勢を表したかった。DJをやっている人であれば、週末は色んな場所を訪れるよね。たまにトゥーマッチになることもあるけど、インプットするのに時間がなさすぎるというか。それぞれの街のシーンを支えている人達のことをちゃんと理解したいんだよ。そして、アンダーグラウンド・ハウスミュージックのイベントに関わる、ドライバーからプロモーターまで、全ての人をリスペクトするべきだと僕は思っている。彼らのうち1人でも欠けてしまったら、この仕事は成り立たないからね。ということで、僕は色んな人や場所、努力、カルチャー、そして音楽など、シーンの中での経験をコレクションしているんだ。 あなたはここ数年間でかなりの数のリリースを行っていますね。いつもどのくらいの時間をスタジオで過ごしているんですか? スタジオに入るのは、大体週に2、3日。朝早くから作業を始めるのが好きなんだ。朝の方がクリエイティブでいられる気がするから。絶対に完成させたいアイディアがある時は、次の日の陽が上る前には終わらせるようにしてるよ。それと、冬の方が曲がたくさんできる。夏の間はスケジュールがビッシリだから、スタジオに入って曲を完成させる時間を作るのが難しくなるし、外で太陽が輝いているのに暗いスタジオにこもるなんてちょっと嫌だしね。 ツアーも忙しそうですが、最近のギグで何か印象深い出来事はありましたか? 最近で1番印象に残っている思い出は、3ヶ月前、初めてマンチェスターのSankeysでプレイしたことかな。親友のDarius Syrossianと、5時間のB2Bセットをやったんだ。5時間ずっと、フロアから最高のフィードバックやヴァイブを感じられたよ。その日は一晩中エネルギーに満ち溢れていたし、お客さん達は僕らがプレイする1曲1曲を楽しんでくれているみたいだった。それと、DariusとB2Bをやるのはその時が初めてだったから、ギグの前はものすごくワクワクしてた。結果的に、息がピッタリでうまくいったし、すごく楽しい夜を過ごすことができたよ。でも、ものすごいプレッシャーもあった。その日初めて、SankeysのファウンダーであるDavid Vincentに会ったんだけど、その時ちょうど、今年の夏のSankeys Ibizaのラインナップに僕を入れるかどうか話し合い中だったんだ。 ツアー中でもなく、曲を作ってもいない時は、何をして過ごしているんですか? 体調維持の為に、よくスポーツをしている。走ったり、泳いだり、サイクリングしたり。あとはヨガも大好きなんだ。飛行機やスタジオで長時間座って過ごすことも多いから、よく背中が痛くなるんだよね。それに、読書も好き。心理学や仏教に関する本をよく読むよ。僕の家にはテレビがなくて、ニュースをほとんど見ないんだ。そういう情報を見ると、心が乱れてしまうような気がして。その代わり、周りの人とよく話すようにしてる。友達たちが、ニュースを見ない僕に、世界で今何が起きているのかを教えてくれるんだよ。 今回が初来日ツアーとなりますが、何か楽しみにしていることはありますか? 今まで日本のカルチャーに触れたことが一度もないから、何が楽しみって詳しく説明するのは難しいね。けど、日本で暮らす人達に会うのが1番楽しみかな。彼らの話を直接聞いて、日本人を精神面から理解したい。さっきも言ったように、僕はカルチャーコレクションマニアだからね。特に、僕の国とは全く違う日本のカルチャーにはすごく興味があるよ。それと、実は僕、日本食の大ファンなんだ。あとはもちろん日本の音楽シーン、特に東京はずっと気になってたから、今回実際に体験できるのをすごく楽しみにしているよ。


RA