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Opinion: DJカルチャーの中にある危機的状況

  • Aviciiの身に起こった出来事により、多くのツアーアーティストが直面している問題が明らかになった。

    スウェーデン人のDJ、Tim BerglingことAviciiの人生とキャリアは、彼の死の6ヶ月前に公開されたドキュメンタリー映画『Avicii: True Stories』の中で、驚く程生々しく描き出されている。映画の序盤では、マネージャーのAsh Pournouriが、まだ10代だったAviciiが発表した最初のヒットシングル”Levels”について説明をする。Pournouriの言葉を借りると、このトラックが全てを変え、Berglingを国際的なスターダムにのし上げたのだ。「Timはもう死にそうだよ」Pournouriは淡々とした調子で続ける。「インタビューやら、ラジオ番組回りやら、盛りだくさんで、急に逝ってしまうかもしれない」

    その後の数年間に渡り、Berglingは世界で最も有名かつ、最もギャラの高いDJとなり、年間200件のギグをこなし、そのギグの大半で各々10万ドル(約1千万円)以上を稼いだ。彼はまた、アルコール依存や不安障害、膵臓炎に悩まされていて、彼の飲酒習慣もその原因の一端となっていた。入院回数も数知れず、胆嚢と虫垂を切除し、長年、慢性疼痛を患っていた。彼はその間もほぼずっとツアーを続けていたため、時にはツアーの最中、見るからに体調が悪そうなこともあった。

    Berglingは自身の健康を取り戻すため、2016年にステージ活動からの引退を表明したものの、それでも彼は過酷なツアー・マシン状態に苦しめられた。彼自身が大いに稼ぎたいというよりも、彼の周辺にいる大勢の人々のためであった。先述のドキュメンタリー映画の終盤、彼は友人に対して「彼らには、もう僕はプレイできないと何度も何度も伝えてきた」と、Pournouriや自身のチームメンバーのことを示唆して語っている。「こんなことをしていたら自分は死んでしまうって、何度も何度も言っている」

    Berglingは、オマーンのホテルの一室で遺体で発見された。彼の死因はまだ明かされていないが、おそらくは我々は今後も決して知ることのできぬものだろう。しかし、何が彼の人生やキャリアを台無しにしてしまったのかは、知らなければいけない。それは、薬物乱用、不安障害、身体の病気といったもの自体ではなく、ツアーをするアーティストとしての生活そのものと、乗り越えなければいけなかった計り知れぬ量のプレッシャーによるものだ。(訳註:このテキストはBerglingの家族からの声明が発表される前に書かれた)

    Bergling死去のニュースが報道された翌日、The Black Madonnaは一連のツイートの中で「これは私たちの大半にも起こり得ることだ」と記した。彼女が言う「私たち」とはDJのことであり、彼女の意見はまさにその通りだ。Berglingの生き様は、彼の歳若さや、天文学的なレベルでの成功、ツアースケジュールの過酷さなど、色々な面で普通とはかけ離れたものであったが、彼を死に追いやった要因は、多くのDJにとってごく普通に起こることであり、職業病とすら呼ばれているものだ。

    Berglingは、彼の抱えている一番主要な問題は、内向的な人間なのに無理をして外交的に振る舞っていることだと語っていた。これも多くのアーティストに当てはまることだろう。自分の寝室やスタジオに長時間閉じこもり、レコードを作ることは、ほぼ隠遁生活に近い。しかし、そんなアーティスト達も突如、毎夜ごとに新たな人々に出会い、数え切れないほどの見知らぬ人々に向けて、ステージからパフォーマンスをすることになる。たとえ自身のクラウドが、Berglingのそれと比べればほんの僅かの人数であったとしても、当てはまることだ。また、ツアーをし、新しい音楽をリリースするというプレッシャーに抗わなければいけないことも大きな問題だ。これはDJが直面する最も一般的なジレンマであり、堅実なアクトとして知られるObjektですら、つい先日、そうしたプレッシャーについて思いを巡らせるツイートをしていた程だ。

    Berglingにとっては、アルコールはプレッシャーに対する慰めであり、また実質上、強制的に飲まされているものだった。「会場に行けば、あちこちでタダ酒が飲めるから、むしろ飲まないとおかしいと思われる。うんざりしていたけど、結局は癖になってしまった。アルコールを飲めば、勇気が出て自信も生まれるし、それで乗り切れるんだ」と、彼はGQの取材で語っていた。DJであれば、誰もがこうした危うい状況に陥ることはあるだろうし、大抵の場合、それは下り坂へとつながっている。

    膵臓炎と慢性疼痛を抱えながらツアーをするのは、極限といえる状況であっただろう。だがこれすら、珍しい話ではない。もちろん病気は誰もがなるものだが、DJには余裕がない。ギグをキャンセルすることはすなわち、お金を失うことを意味しており、時にそれは何千ユーロ、何万ユーロにもなり得る。自分自身だけではなく、エージェントやギグのプロモーターにとってもだ(ファンの落胆も言うまでもない)。10万ドル代のギャラや、策略家揃いのマネージメントチームがいるわけではないとしても、こうした有害な力関係は発生する。まして闘病中であれば、1000ユーロ(約13万円)の支払いも大きな打撃だ。結果、DJにとっては、痛みがあったり、健康状態が悪いままツアーをすることが当たり前になっている。

    DJの職業病は枚挙に暇がない。しかし、耳鳴りや腰痛は別としても、これまで述べてきたような危機的状況は、アーティスト本人、アーティストと働く人々、そしてアーティストを見たい観客達、各個人が持つ欲求から生まれたものなのだ。言い方を代えれば、我々全てがこの状況に加担しているのであり、このカルチャーに関わる限り、考えなければいけない問題だ。

    ブッキングエージェントやマネージャーは、たとえ減益になったとしても、アーティストの活動時間の長さや、生活の質を考慮すべき立場にある。アーティストは、たとえ目も眩むようなチャンスがあったとしても、まずは自身の健康を優先してほしい。そして観客達は、たとえパッと見がどう見えていたとしても、DJ達は複雑で危険のある生活をしているという現実を認識し、ギグやオンラインでのアーティストへの接し方を見直してほしい。

    もちろん、こうしたシンプルな心がけで問題が根本解決するわけではないが、Berglingが辿った道に他のアーティスト達が陥る確率は下がるのではないだろうか。Berglingがここまで著名な存在でなければ、我々は彼の人生に起こったドラマを知ることはなかった。もし彼が亡くなっていなければ、こうした問題を省みることもなかっただろう。彼の物語はあまりにも普通からかけ離れたものだが、彼を苦しめたものは、ダンスミュージックの世界に居る者であれば誰でも身近な問題だった。彼らをBerglingのようにしてはいけない。

    • 文 /
      Will Lynch
    • 掲載日 /
      Tue, 15 May 2018
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