

世界各地で5月に開催されるフェスティバル、トップ10。

10.
Mira
Funkhaus Berlin、ベルリン、ドイツ
5月5日
Miraはバルセロナ発祥のイベントだが、ベルリンの地に根を張り始めている。このワンデー・フェスティバルの学際的なアプローチが、どのようにしてベルリンのシーンとマッチしたのかは容易に分かる。オーディオヴィジュアル・パフォーマンスへのフォーカスと、ドイツ民主共和国時代の巨大な複合スタジオ施設であるFunkhaus、そしてマルチ・ディメンショナル・スピーカー4DSOUNDを組み合わせることで、Mira Berlinは現代のエレクトロニックミュージックのカッティングエッジさを象徴している。ラインナップに関しては、ライブアクトが特に素晴らしく、Laurel Halo、Yves Tumor、Lorenzo Senniが最高のパフォーマンスを披露するはずだが、Vladimir IvkovicやInga Mauerのように、ライブアクトに負けないほど既成概念の枠を超えるようなセットをプレイするDJたちも見逃し厳禁だ。
RA Pick: Bokeh VersionsのアーティストWaq Waq Kingdomが、4DSOUNDのシステムでパフォーマンスを行う。

09.
The Star Festival
スチールの森京都、京都府、日本
5月19日 - 5月20日
キックドラムが鳴り響く中、The Star Festivalでは穏やかな空気を感じることができる。会場となるのは京都駅から車で約40分の場所に位置する、静かな山々に囲まれた広大な芝生の敷地。他の多くの日本のフェスティバル同様、The Star Festivalもまたファミリー・フレンドリーなイベントであり、デイタイムには大人たちの足の横を子供たちが走り回る様子が見受けられる。太陽が沈むと日中とは異なるヴァイブが生まれ、ステージ後方の大きな樹々にはトリッピーなヴィジュアルが投影される。音楽ポリシーはベース、ハウス、テクノを中心としており、Fumiya TanakaとZipによるバックトゥバックは今や同フェスティバルの名物となった(彼らは昨年、10時間ぶっ通しでプレイした)。2018年もこの2人が出演するほか、Ikonika、Shigeto、Florian Kupferなど初登場組もラインナップされている。
RA Pick: The Star Festival初登場となるTalabomanのパフォーマンスは、子供たちとその両親揃って踊らせるはずだ。

08.
MUTEK San Francisco
サンフランシスコ、アメリカ合衆国
5月3日 - 5月6日
今や世界的なイベントシリーズとなったMUTEK。本拠地であるカナダ・モントリオールで開催している間、アメリカのクラウドたちは毎年のように遠征を続けてきた。その恩返しとして同フェスティバルは今年、初めてアメリカでのイベントを開催。5月初め、サンフランシスコにある9箇所のヴェニューが会場となる。MUTEKということで、期待すべきことも皆承知のはず。大部分がライブによる最先端のエレクトロニックミュージックを、眩いヴィジュアルの中で体験できる。注目のラインナップは、Tim Hecker、Lee Gamble、Underground ResistanceによるGalaxy 2 Galaxyなど。MUTEKはベイエリアの豊かなローカルシーンにもしっかりと目を向け、Christina Chatfield、Russell E.L. Butler、Solarといったアーティストをブッキングしている。
RA Pick: Dark Entriesから煌めく新作LPを発表したばかりのサンフランシスコのアーティスト、Bézierは要チェック。

07.
Love Saves the Day
Eastville Park、ブリストル、イギリス
5月26日 - 5月27日
UKフェスティバル・シーンにとって今年最大のニュースは、Glastonburyが開催されないということだ。では、その次に良いものはなんだろうか?今年で7回目の開催を迎えるLove Saves The Dayは、UKで最も愛されてる大型イベントであるGlastonburyと、多くの共通点を持つ。インディペンデントな運営とブッキング・ポリシーは若々しくオープマインドであり、そして何と言っても、開催地が同じウエスト・カントリーだ。(ちなみにLove Saves The Dayの運営会社であるTeam Loveは、GlastonburyのWow Stageを手がけている。)ということで、今年参加する大型フェスティバルを探しているというあなたには、ブリストルのEastville Parkを訪れ、SamphaやAndy C、The Black Madonna、Shanti Celeste、Bicep、Four Tet、Moxieといった面々のセットでダンスすることをお勧めする。
RA Pick: リアルなブリストルを味合うには、PinchとJokerによるバックトゥバックを見逃してはならない。

06.
Lente Kabinet
Het Twiske、アムステルダム、オランダ
5月26日 - 5月28日
Lente Kabinetで過ごす1日よりも良いもの?それはLente Kabinetで過ごす2日間だ。Dekmantelの小規模な兄弟イベントとしてられる、このオランダの人気フェスティバルは、今年初めて開催期間を1日から2日に拡大した。つまり、楽しみも2倍、音楽も2倍、DJも2倍ということ。2018年はDJ Fett Burger、Tzusing、DJ Assault、Peggy Gouを始めとするDJ陣と、DMX Krew、DJ Python、Alexander Robotnickといったライブアクトがラインナップ。彼らのホームである、アムステルダムの北に位置する緑が生い茂る公園、Het Twiskeで初めて行われるLente Kabinetのウィークエンダーは、間違いなく素晴らしいものになるはずだ。
RA Pick: DJ Pythonは、RAスタッフが選ぶ2017年のフェイバリット・アルバムの1枚を生み出した。彼のライブセットにも期待することにしよう。

05.
Strichka Festival
Closer、キエフ、ウクライナ
5月19日 - 5月20日
キエフのクラブCloserは、ヨーロッパにおける最高の穴場スポットかもしれない。そして、そこで行われる毎年恒例のイベントStrichka Festivalは、同ヴェニューを訪れるのには最高の機会と言える。土曜の夜に始まり、月曜の午前中に終わるこのマラソンイベントでは、ハウスからテクノ、エクスペリメンタルを織り交ぜたアクトを(Ion Ludwig、Luke Slater、Wolfgang Voigt等)、Closerのホームである元リボン工場に招聘する。また今年のStrichkaは、毎年マジカルなDJセットの数々が繰り広げられる屋外の中庭スペース、Lesnoy Prichalの春のオフィシャル・オープニングでもある。日曜日に太陽の下で踊るだけのエネルギーはセーブしておこう。
RA Pick: Ion Ludwigのベース・ヘヴィーなハウスは、彼が日曜にライブを行う時、Lesnoy Prichalを活気付かせるだろう。

04.
Moogfest
ダーラム、アメリカ合衆国
5月17日 - 5月21日
社会的正義と音楽の混合のことに関して言えば、Moogfestは口だけでなく行動でそれを証明しているイベントだ。他の様々なフェスティバルが、2022年までにジェンダーのバランスを取ったラインナップを導入しようと取り組んでいる中、Moogfestはきっぱりと、女性、トランスジェンダー、ノンバイナリーのアーティストを前面にプッシュした。例えその行動に、全員が同意していなくてもだ。同フェスティバルでは、Discwomanクルー、Noncompliant、そしてShanti Celesteらによるダンスミュージックのキックを聴くこともできるが、プログラムのエクスペリメンタル・サイドは一段と強力で、注目のニューフェイスCaterina BarbieriやKatie GatelyがMoogfest初登場を果たす。
RA Pick: 日本人ミニマリストMidori Takadaの、初のUSギグが実現する。

03.
Primavera Sound
Parc Del Forum、バルセロナ、スペイン
5月28日 - 6月2日
世界各地の様々なビッグ・フェスティバルが、音楽的時代精神を全面的にキャプチャーしたラインナップを組もうと努力している。だが、インディーからR&B、エクスペリメンタルテクノまで全てを取り入れながら、それぞれのジャンルを非常に深くまで掘り下げているPrimavera Soundほど、それを上手く実現できているイベントは少ない。例年通り、今年も貪欲な音楽ファンたちには幅広い選択肢が提供され、メインステージではBjörkやSpiritualizedによるショウが行われるほか、もう少し小さなダンスフロアではCall SuperやDonato Dozzyのセット、あるいはHuneeとAntalによるバックトゥバックを繰り広げられる。この規模の多くのイベント同様、Primaveraは意気地のない人に向くものではなく、ステージ間の移動に1時間ほど要することもある。だが、初夏のバルセロナの爽やかな空気の中ならば、そんなことには文句のつけようがない。
RA Pick: Fever Rayの素晴らしい新作ライブショウは必見。

02.
Nuits Sonores
リヨン、フランス
5月7日 - 5月13日
2017年、Nuits Sonoresはツアーに乗り出し、ソウル、ブリュッセル、そしてボゴタでサテライトイベントを開催した。しかし、その心のホームがリヨンであることに疑問の余地はない。2018年、同フェスティバルとリヨン市のパートナーシップは、これまで以上に強力なものとなっている。今年は開催期間が5日間から8日間へと大幅に拡大され、La Sucrièreでのデイタイム・セッションが追加されたほか、昨年に続き市内で最も美しいスポットの1つであるLa Piscine du Rhôneも使用する。これらは会場となる数あるヴェニューのうちのたった2つに過ぎず、フェスティバルではLarry HeardからMoor Mother、Maceo Plex、Lee Gamble、Pan Daijing、そしてPaula Templeまで、あらゆるアクトを見ることができる。
RA Pick: 自身のヒット作のタイトルにNuits Sonoresという名前をつけたFloating Pointsが、最高のプレイをしてくれるに違いない。

01.
Movement
Hart Plaza、デトロイト、アメリカ合衆国
5月26日 - 5月28日
昨年のMovementは、デトロイトの街に漂っていた用心深くも楽観的な雰囲気に対抗して開催された。デトロイト・ダウンタウンにある同フェスティバルのホームは市の経済復興の中心地となり、それは10年前に財政破綻が起きたデトロイトにとってポジティブ(かつ複雑)な出来事だった。Movementの主催者は、世界各地からのDJやフェスティバル参加者を迎え入れながら、モーターシティのエレクトロニックミュージック・シーンを動かしているアーティストたちをサポートするという、難しい両天秤策を達成した。2018年はCarl Craig、Delano Smith、DJ Stingray、Eddie Fowlkes、DJ Godfather、Mike Huckaby、そしてAmp Fiddlerといった地元のヒーローたちと、Nina Kraviz、KiNK、Loco Diceのような市外からのアーティストたちが共演。(ヒップホップのメイン・アクトWu-Tangも忘れてはいけない。)また昨年に続き、Resident AdvisorがUndergroundステージを共同ホストする。 ラインナップの詳細は現時点ではお知らせできないが、どんなヴァイブになるのかヒントだけお伝えしよう。それは、“t”から始まり、“echno”で終わる。
RA Pick: Helena HauffのMovementデビューは、記憶に残るものとなるだろう。
5月に開催されるフェスティバルのリストはこちらでチェック。
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