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Matrixxman: 機械に宿りし魂へ、没入する男

  • 多様なサウンドを然るべくクオリティで生み出してきたUS生まれのプロデューサーに、Yusuke Kawamuraが話を訊いた。

    Charlie DuffによるMatrixxman、この名義で彼はまるで機械と融合するかのようなテクノ・ミュージックを作り出す。その才能を大きくシーンに知らしめたのは、やはりオランダの名門、Dekmantelから2014年にリリースされたシングル「Nubian Metropolis」だろう。その他のリリースはもとより、主催フェスやポッドキャストのクオリティを含めて、ヨーロッパのハウス / テクノ・シーンにおいてトップ・レーベルと言えるだろう。そんなレーベルからのリリースは、否応無しにシーン全体からの注目に値する動きとなる。ここではモノトーンのシカゴ・アシッド・ハウスを生まれ変わらせ、シンプルに、そしてソリッドにモダンなサウンドとして提示した。簡単そうながら、音色、音質、グルーヴともに、それこそシンプルゆえにその才能が試される。マシーンに神経を行き渡らせ、そのグルーヴをモノにしていなければできない芸当だ。さらにその評価を決定的にしたは、アメリカのエレクトロニック・ミュージック・シーンの名門、Ghostly Internationalの傘下のテクノ専科、Spectral Soundからの2015年のファースト『Homesick』リリースだ。そのマシン・グルーヴとともに、繊細なタッチの電子音はまるでSF映画のサウンドトラックのようなイマジナリーなサウンドを描き出した。その他、Unknown To The Unknownでのリリースなどなど、とにかくリミックスも含めれば多くのトップ・レーベルでリリースを重ねるトップ・アーティストとして君臨している。

    しかし彼のキャリアは一筋縄ではいかず、彗星のごとく、2010年代中頃のテクノ・シーンに現れたわけではない。Ed Rush & Opticalといったダークコア・ドラムンベースを一つのルーツとしながら、プロデューサーとしては2010年代初頭から、Paavo Steinkamとのデュオ、5kinAndBone5としてUKガラージ~ダブステップ系のサウンドをリリースしている。ここでは、いまのクールなマシン・グルーヴとは違ったR&Bやヒップホップのエッセンスをふんだんに含んだベース・ミュージックを制作していた。が、このあたりは2010年代中頃に入ると一気に影を潜め、前述のようにMatrixxman名義で、その才能をテクノ・シーンにおいて一気に開花させたのだ。ちなみに、もうひとりの長年のコラボレーター、Vin Solとのコンビネーションでは彼の個人での活動よりも、よりナスティなシカゴのダーティ・グルーヴを追求しているようだ。

    ともかく、こうしたキャリアを経て、いまやハウス / テクノのアーティストとして大きく飛躍する途中にある彼に、メールにて話を訊いた。ちなみに彼は、そのサウンドのキャリアのように、活動の拠点を幾度も移していて、これまでにヴァージニア、サンフランシスコ、なんと日本にも滞在していたことがあったようだ。そして現在はベルリンにその拠点を移している模様だ。日本語が堪能なようで、本インタヴューも直接メールにて日本語のまま答えてもらっている。













    以前、日本に滞在していたことがあるようですが、いつ頃、どこにいらっしゃったんですが?

    ええ、そうなんです。2001年に京都に一時期住んでましたよ。

    そのときなにか仕事で? それとも留学などで?

    当時は短期間で、語学学校に通っていたんです。自分の日本語の能力を向上させたいなと思って……。結局、京都は一年半しかいませんでした。

    なるほど、ではそろそろ本題を。いくつかのあなたのインタヴューを読んだのですが、あなたの運命を変えた1枚に、Juan Atkins『MM』があるようですが、このミックスCDはなぜあなたにテクノ・プロデューサーとしての道を歩ませたんでしょうか?

    非常によい質問だと思います。そのミックスCDを初めて聴いた時は……もう20年前の話ですから。いまいちその感覚をうまく説明できないかもしれませんが……強いて言えば、そのミックスには、なにか私をうっとりとさせるものがありました。それまでは、主にドラムンベースにハマっていたんですけど、Juan Atkinsのおかげでテクノの本質を少し把握できたような気がします。で、自分もこのような曲を作れたらいいなぁと思い始めたのがきっかけです。

    Matrixxmanという名義の由来を教えてください。

    超人間主義者(トランス・ヒューマニズム:最新の科学技術と人間の身体を組み合わせることで、これまでの人間以上の存在となることを主張する)のRay Kurzweil(人工知能の権威。人口知能の発展などの科学技術の向上と浸透で人類の文明が大きく変化するという「技術的特異点」論の著書などで知られる)やVernor Vinge(数学家 / SF作家。「技術的特異点」をまさに描く『マイクロチップの魔術師』の小説などが有名、いわゆるサイバーパンクの先駆的存在)からのインスピレーションが大きいですね。脳みそをアップロードするようなサイバーパンク的な概念から生じたというような。恐らくこれはオタク領域に範疇されるのでしょうが、とにかくそういうことにすごく興味があります。

    5kinAndBone5、Amen Brotherといったユニットでは、ヒップホップ、R&BやUKガラージ的なサウンドをプロデュースしていましたが、Matrixxmanでのソロでのキャリアはテクノを選択しました。なぜでしょうか?

    最初は色んなジャンルを作ってみたかったんですね、「物は試し」という事で。そうでないと、何が自分に一番合うのかがわかりませんし。まあ、何に対してもそうだろうと思いますが、様々なスタイルの音楽を作っているうちに、自然とテクノとハウスへの方向に向かいました。やっぱりテクノでしか表せない微妙な感情があるから。なぜソロでその道を歩んだのかというと、それはただ単にタイミングというか、成り行きなのかもしれません。

    今後もヒップホップやR&Bといった音楽を作る可能性はありうる?

    どうなんでしょう。その可能性が全くないとは言い切れません。













    テクノ・アーティストとして、あなたに決定的な影響を与えたのは誰でしょうか?

    Luke Slaterを物凄く尊敬します。彼の影響なしでは僕のいまのキャリアは成立できなかった…… と言ってよいほど尊敬していますね。あとはJeff Millsも。両方とも自分にとって神様的な存在のアーティストですね。彼らは25年以上活躍してきたのにもかかわらず、改めて何度も自分達の音を再考案したりするのが本当に素晴らしいと思います。そんなアーティスト、なかなかいませんよね。

    これまでいくつか活動拠点を変えているようですが、それぞれの土地があなたの音楽に影響を与えていると思いますか?

    場所によってですね。振り返ってみれば、面白い事にサンフランシスコからの影響は得に感じなかった気がしますけれども、それに対していまのベルリンは、もうヤバイですね。やはりここは何と言ってもテクノの聖地ですから。ここにいるだけで、音作りにおいても、ここのヴァイブスを吸収しちゃいますよね。より冷たい(むしろ暗いといった方がいいかもしれない)感じのテクノを作らされるような。サンフランシスコは、よっぽどお金持ちの人じゃない限り、生活するのが辛いですね。天気は快適ですが僕は脱出するしかなかったんです。

    いまMatrixxman名義で音楽を作る上で、重要な、もしくは気にいっているシンセがあればお教えください。

    最近僕はWaldorf XT Microwaveを愛用しています。デジタルなのに音質がわりと暖かくてよいと思います。

    アルバム『Homesick』には明確なコンセプトはありましたか? もしあったら教えてください。

    頭の中でしか存在しないSFサウンドトラック、というコンセプトで『Homesick』を作りました。

    『Homesick』はアルバムを通して、オールドスクールなドラム・マシンの音色がとても印象に残ります。

    確かにそうです。






    Matrixxman






    それでいて、あなたのサウンドは「Futuristic」と度々表現されます。とはいえ、前述のようにドラムマシンの音色は1980年代のものだったりします。人々はなぜあなたのサウンドを未来のヴィジョンを結びつけるんだと思いますか?

    なるほど、そう言われてみれば自分の音楽は、ちょっと矛盾していますよね(笑)。「(30年前の楽器を使っていて)いったいどこがフューチャリスティックだよ!」という感じで。とはいえ、古い機材を使っているからといって、その機材の音自体が古く聞こえるとは限らないと思います。これはちょっと言葉でなにか説明しがたいことですね……僕が言わんとするのは、どんな機材を使おうが、意思がなによりも重要だということです。

    この名義でサウンドを作る際にもっとも重要だと思っていることがあればお教えください。

    生きていないマシーンの中に魂が潜んでいるのかも知れません。この思考をもってして曲作りすれば、きっといいものができ上がります。

    あなたの作品はそのグルーヴ感に引き付けられる感覚があります。リズムを作るときにもっとも気をつけていることはありますか?

    ええ、リズムの構成は重視します。だが、具体的にどういう風に気をつけているのかと聞かれては困ります。大ざっぱに言ったら、直感で作っていく過程でできるといったところでしょうか。

    DJとしての経験はMatrixxman名義の作品作りには重要ですが? もし重要だとするとどんな部分でしょうか?

    自分が作った曲をDJとして頻繁にかけます、だから、その場面の人々の反応などをDJブースから観察するだけで、いっぱい曲作りに関するアイディアが浮かんできますね。「もっとこんな感じの曲作りたいな」とか「この曲はちょっと微妙だな……」とか。より効果的に曲を作成できるように、ある意味で自分の楽曲にダメだしをする必要がそこで出てきますね。ということは、やはりDJと作品作りって根本的に繋がっているんだと思います。

    『Homesick』のなかには、"Annika's Theme"のような魅力的なノンビート / アンビエントの作品があります。こうしたタイプの作品にフォーカスすることは今後ありますか?

    是非やってみたいですね。アンビエントがすごく好きですね。今までは、ほんの少ししか、こうしたタイプの楽曲を作っていなかったから、もっともっとその世界に入り込みたいですね。興味深いです。

    また、エレクトロ・スタイルの楽曲"Red Light Distruct"が収録されていますが、ここ最近、テクノ・シーンで、Drexciyaの変名作品の多くが再発されたり、そうした再発だけではなく、たとえば12曲にエレクトロ・スタイルの楽曲が入ったいたりなどなど、また人気を集めているような感覚があります。これはなぜだと思いますか?

    たしかに不思議なことに最近デトロイト・エレクトロ系がだいぶ流行ってるみたいですけど、なぜでしょうかね。完全な謎です。

    ちなみにもっとも好きなエレクトロ・スタイルの楽曲を教えてください。

    Plant43 "Chain Of Memories"ですね。

    またあなたの作品にはアシッド・ハウスへの敬意というか、そのサウンドをあなたの作品の各所で聴くことができます。いわゆるオールドスクールなシカゴ・アシッド・ハウスをはじめて聴いたとき、どんな感想を持ちましたか?

    「うわ~、なんなのこれは。めっちゃかっこいいなァ」みたいな感想でした、確か。

    SFが好きなようですが、もっとも好きな作品をあげてください。なぜその作品が好きなのかも。

    ある意味、当然ですがウィリアム・ギブソンの『ニューロマンサー』がその一例と言えます。サイバーパンクの金字塔ですからね。

    では最後に、新しい『ブレードランナー』の感想をお聞かせください。

    そういえば、やっとこの前新しい『ブレードランナー』を観たんです。正直に言えば、「なんかもうひとつだな」と思ったんですが、オリジナルの『ブレードランナー』を彷彿とさせる景色はとっても美しかったです。あれが僕らの将来だとすれば、悪くはないでしょうね。



























    • 文 /
      Yusuke Kawamura
    • 掲載日 /
      Fri, 23 Feb 2018
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