

6月に世界各地で開催されるフェスティバルの中から、RAのオススメを紹介。

10.
Junction 2
ボストン・マナー・パーク、ロンドン、イギリス
6月10日
Junction 2が素晴らしいフェスティバルだということは、昨年の時点で分かっていた。今年で2回目を迎えるこのワンデーイベントは、LWE、The Hydra、Drumcodeという、最高のパーティーの作り方を熟知しているプロモーター3組のコラボレーションによって開催される。2017年は更にTime WarpとInto The Woodsが参加し、会場も拡大されステージは3つから5つへと増える。ラインナップは昨年の倍以上の内容であり、Adam Beyer、Tale Of Us、Ben Klock、Maceo Plex、Joseph Capriati、Jane Fitz、Willow、Daphniといった面々が、西ロンドンのボストン・マナー・パークという、高速道路M4の下に位置する印象的なロケーションでプレイする。もちろん音量の規制はない。
RA Pick: Ben Klockほど大型フェスティバルのステージが得意なDJは数少ない。

09.
Southport Weekender Festival
フィンズベリー・パーク、ロンドン、イギリス
6月10日
「Weekender 52は、最後のSouthport Weekenderとなります。」2015年にそう発表された時、このUKの老舗フェスティバルが終焉を迎えるかと思われた。約30年間に渡り、ソウル・ウィークエンダー全盛期にルーツを持ちながらもハウスからディスコ、ドラムンベースまであらゆる音楽を網羅するSouthport Weekenderは、この国で最もユニークで人気のあるイベントの1つだった。大型リゾート施設のバトリンズ・マインヘッドで週末中続くSouthport Weekenderであったが、今回は初めてロンドンが舞台となり、フィンズベリー・パークにてワンデー・イベントとして開催される。しかし、それを除けば、我々が知っていた、そして愛していたエクレクティックなイベントであることに変わりはなく、Danny Krivit、Joey Negro、Derrick Carter、LTJ Bukemといったアイコニックなアクトが、Anthony NaplesやCuloe De Songといった若き大物たちと共演する。
RA Pick: Southportの長年のフェイバリットである、ニューヨークハウスのレジェンドTony Humphriesで決まりだ。

08.
AVA Festival
T13、ベルファスト、北アイルランド
6月2日 - 6月4日
開催期間の延長以上に、フェスティバルの成功を明確に示すものはない。ワンデーイベントだったAVA Festivalは今年、日程を2日間に拡大した。エキシビジョンであり、カンファレンスであり、そしてレイヴでもあるこのベルファストで最も新しいフェスティバルは、ヴィジュアルアートと現代最高峰のハウス/テクノを上品に融合させる。デイタイムは様々なトークプログラムが繰り広げられ、参加者はJeff MillsやLeftfieldのNeil Barnesといったベテランの知恵に触れることができる。あるいは、AbletonやNative Instrumentsによるテック・ワークショップにも参加可能だ。羽を伸ばす準備が整ったら、Marcel Dettmann、Job Jobse、Denis Sultaなどの人気アクトが、AVAご自慢のウォーターフロントのステージでスピンする様子を楽しもう。
RA Pick: Bicepがホームグラウンドでプレイする。

07.
Terraforma
アルコナーティ邸、イタリア
6月23日 - 6月25日
Terraformaの野望は、素晴らしく、そして高尚だ。彼らが掲げている目標は、参加者がそれぞれの方法で音楽を聴くことを促すような雰囲気をつくること。彼らはアルコナーティ邸の敷地内の森の中に、ティピが建てられた広い芝生へと通づる、ネオンライトに照らされた道を作る。そうした素晴らしいケアはフェスティバルのスペシャルなオーラを作り出すのに一役買っているが、Terraformaの一番の魅力は、もちろん音楽だ。Objekt、Mala、Gerald DonaldによるプロジェクトArpanet、GAS、そしてRashad Beckerなどがラインナップされた2017年のTerraformaは、ダンスフロアを超越した何かが生まれそうだ。
RA Pick: 「Woodlandscene」というタイトルの素晴らしい12インチの作り手であるDresvnは、森が舞台となるこのフェスティバルにピッタリの人選だ。

06.
Gottwood
Carregewlyd Estate、ウェールズ、イギリス
6月8日 - 6月12日
ウェールズの孤立した荘園で繰り広げられる、ヘドニスティックなウィークエンダーとはどんなものか?同じくウェールズで開催されるFreerotationのように、Gottwoodはその参加者たちを都心部から地方の孤立した場所へと誘き寄せており、毎年増え続けるファンたちは貪欲にイベントを楽しもうとしている。Gottwoodの雰囲気は同フェスティバルの評判における重要なポイントだが、他のフェスティバルであれば後回しにするであろう細かな部分の体験を、彼らは更に向上させようとしている。また、より良いサウンドシステムと信じられないほど幅広いラインナップにも力を入れており、ZipのようなハウスからLoefahのダブステップまでと、バラエティ豊かなサウンドを実現する。
RA Pick: Francesco Del Gardaのトリッピーなプレイに注目。

05.
Field Day
ヴィクトリア・パーク、ロンドン、イギリス
6月3日
近いうちに、東ロンドンのヴィクトリア・パークにはトラックや建設業者たちが集まり出し、今年のField Dayで使用される「巨大な、格納庫のような建造物」のThe Barnを組み始める。このBarnの中では、Aphex Twinがロンドンでは久々となるライブパフォーマンスを行う。Field Day 2017のその他の注目ポイントは、フェスティバルの開催期間が2日から1日に縮小されたという点だ。幸いにも能率化されたプログラムや最高の音楽は健在で、Flying Lotus、ABRA、そして『Stranger Things』のサウンドトラックを手掛けたS U R V I V Eといった興味をそそられるアクトが多数出演する。
RA Pick: 自分たちで言うのも何だが、RAステージがなかなかアツい。

04.
Into The Valley
ルンム、エストニア
6月29日 - 7月1日
エストニアはオランダとほぼ同じ大きさの国だが、人口はずっと少ない。それはつまりオープンスペースがたくさんあるということ。その中には、トロピカルでどこか他の惑星のようにすら感じる、美しい湖や石灰岩で形成された地形が印象的なルンムの街のような、顎が外れるような場所もいくつか存在する。ここで6月の終わりから3日間にわたり開催されるInto The Valleyは、エストニア史上最大規模のハウス/テクノのイベントとなる。ラインナップもロケーションに劣らず素晴らしく、Ricardo Villalobos、Praslesh、Sonja Moonearといったハウスのミニマリストたちが、Regis、Function、DJ Stingrayらテクノのベテラン勢と共演する。
RA Pick: Cobblestone Jazzのライブショウが観客をうならせるだろう。

03.
Love International Festival
The Garden Tisno、クロアチア
6月28日 - 7月5日
Love Internationalには、非常に心地良い何かがある。この約1週間にわたるパーティー(かつてはThe Garden Festivalとして開催されていた)の為に毎年クロアチアを訪れている参加者たちは、自分たちがそこで何を見て(フレンドリーな顔、太陽)、何を聴く(心地よいディスコとハウス)をよく知っている。同フェスティバル、そしてその参加者たちには、完ぺきなルーティンが存在する。日中はボートの上で踊ったり、アドリア海のほとりでゆったりと過ごす一方、夜になるとクラブBarbarellasで星空の下踊る。これほど充実した体験を確実に約束できるフェスティバルは、なかなかないだろう。
RA Pick: それがイタリアンハウスだろうが、変わりネタだろうが、あるいはWomack & Womackだろうが、Young Marcoはいつだって、その時にぴったりの音楽を引き出してくれる。

02.
Glastonbury
ワージー・ファーム、ピルトン、イギリス
6月21日 - 6月26日
半世紀近くに渡り開催され続けているGlastonburyは、この時点でほぼ永久に続いていくようにも思われるが、実はその未来は意外にも不確かなのだ。2018年以降で、新しいロケーションにてThe Variety Bazaarという新しいイベントの開催が計画されている今、我々が知っているGlastonburyが、その心のふるさとであるワージー・ファームで再び開催されることがあるのかどうか、現時点では定かではない。だからこそ、尚更35回目の開催となる今年のフェスティバルには参加するべきなのだ。例年通りラインナップにはポップミュージックの時代精神が広く反映されており、RadioheadやThe xxのような人気アクトが巨大なステージに登場するほか、アンダーグラウンドなハウス、テクノ、ディスコ、ベースミュージックのDJたちが(Blawan、Steffi、Masters At Work、Midland、Felix Dickinson)、The Beat Hotel、Silver Hayes、そして異世界のようなBlock9といった、フェスティバルに多数存在するダンスミュージックエリアでプレイする。
RA Pick: 一度はNYC Downlowを訪れてみるべきだ。

01.
Sónar
バルセロナ、スペイン
6月15日 - 6月18日
大抵の人が思っている以上に、エレクトロニックミュージックはSónarに大きな恩義がある。'90年代半ばにこのバルセロナの大型フェスティバルが誕生した当時、ダンスミュージックフェスティバルはアヴァンギャルドなものとして認知されていた。しかし現在は当たり前に存在し、世界中で数えきれないイベントが開催されている。常に変化する市場での激しい競争をよそに、Sónarはスタートしてから20年以上経った今もそのトップに君臨し続けている。その秘訣は、プロダクションからアートワーク、そして業界向けのカンファレンスであるSónar+Dまでに関わる、チームの未来を見据えたアプローチにある。しかし彼らが最も称賛を受けているのは、エレクトロニックミュージックにおける大小のタレントを寄せ集めたブッキングだ。2017年は計9つのステージに140組以上のアクトが登場。Sónar By NightにはNicolas Jaar、Nina Kraviz、Moderat、Eric Prydzといった人気アーティストが出演するほか、SónarXSではTotal FreedomやDeena Abdelwahedがプレイ。Sónar By Dayには、アップカミングなアーティストの為のステージが新設された。そしてもちろん、これら全ての舞台となるのが、ヨーロッパで最も魅力的なメトロポリスの1つというボーナスもついてくる。
RA Pick: 土曜日のSónarLabはResident Advisorがホスト。HuneeとDaphni、Marcel DettmannとDr. Rubinsteinが、それぞれ初のB2Bセットに挑む。
6月に開催されるフェスティバルのリスティングはこちらでチェック。