
4月に開催される世界各地のフェスティバルをピックアップ。

10. L.E.V
4月28日 - 5月1日
Laboral Ciudad De La Cultura
ヒホン、スペイン
過去10年間、スペイン北部の沿岸の街ヒホンで開催されてきたL.E.Vは、音楽とヴィジュアルアートの融合に重点を置き、どっぷりとハマれるようなフェスティバル体験を実現してきた。そう考えると、Monolakeは10周年の節目を飾るにふさわしいブッキングだと言える。 彼はまず、4chサラウンドの最新12インチをベースとした「意図的なヴィジュアル無し」のセットを披露し、その後Fallというタイトルのオーディオヴィジュアル・インスタレーションで再登場する予定だ。また、彼の同志であり繊細なサウンドスカルプチャーのパイオニアであるBiosphereとPoleもラインナップされているほか、Dasha RushがA/VショウAntarctic Taktを披露する。
RA Pick: J.G. Biberkopfのライブショウでは、グライムが崩壊したエコシステムのように聴こえる。

09. Chamonix Unlimited Festival
4月7日 - 4月11日
複数のヴェニュー
シャモニー、フランス
フランスとスイス、イタリアの国境付近に位置する、モンブランの麓にあるコミューン、シャモニーバレーは、ヨーロッパで最古の、そして最も素晴らしいスキーリゾートの1つとして知られる。またこの場所は、毎年スキーシーズンの終わりを迎える頃にハウスとテクノで谷を盛り上げるフェスティバル、Chamonix Unlimitedのホームでもある。4月初めの4日間、彼らは厳選されたハウス/テクノアーティストを、シャモニー中のユニークなヴェニューに招聘する。2016年は、Nina Kravizがメール・ド・グラース氷河付近にてTripのレーベルショウケースをホストするほか、Maceo Plexがゴンドラの駅でプレイする。その他にも、Recondite、Agoria、Seth Troxler、Chris Liebingらの出演が決定している。
RA Pick: ここ最近盛り上がりを見せているNina Kraviz主宰のレーベルTripのショウケースは要チェックだ。

08. Donaufestival
4月29日 - 5月1日 / 5月5日 - 5月7日
複数のヴェニュー
クレムス、オーストリア
Donaufestivalは年を重ねるごとに、CTMやUnsoundといったより大きな実験音楽イベントの影からどんどんと抜け出している。同フェスティバルのホームである、ウィーン近郊のひっそりとした街クレムスという場所は、一見不便なようにも思えるが、オーガナイザーは13世紀に建てられたクレムス州ミノリーテン教会をはじめとするこの街の歴史的な建造物を、上手く利用する。そして今年のラインナップを見ると、Donaufestivalは我々の期待以上のプログラムを用意しているようだ。 Mogwai、Pantha Du Prince、Shackleton、RP Boo、Babyfather、Laurel Halo、Omar Souleyman、Hieroglyphic Being、DJ Koze、そしてコンゴ出身のバンドMbongwana Starが出演する2016年のDonaufestivalは、今年のエクスペリメンタルミュージック・カレンダーにおける重要イベントの1つだ。
RA Pick: Pantha Du Princeが、待望のニューアルバムからの楽曲を披露してくれるだろう。

07. Caprices
4月7日 - 4月10日
クラン・モンタナ
クラン・モンタナ、スイス
山頂でのレイヴには独特のスリルがある。標高の高さが脳に与える影響に関係しているのかもしれないが、海抜2千メートル超の場所でアルプスの景色を一望しながらダンスするのは、いつだって最高の気分。それが正に、スイスのスキーリゾート、クラン・モンタナを舞台に3日間に渡り繰り広げられるパーティーCaprices Festivalで体験できることなのだ。例年と下り、今年のラインナップはEats Everything、Tale Of UsをはじめとするテックハウスDJから、Mathew Jonsonやルーマニア人DJのPraslea、Raresh等によるミニマルなサウンドまで、多くのクラウドを惹き付けるアクトが満載だ。
RA Pick: 昨年のフェスティバルのハイライトであったRicardo Villalobosが、今年はどんなプレイをしてくれるのかに注目しよう。

06. Fasma Festival
4月7日 - 4月9日
アテネ、ギリシャ
ギリシャのForma Festivalは、その3日間のプログラムの中で、太陽の輝くアテネに大量の音のダークネスを持ち込む。しかし彼らのブッキングは、漆黒のエレクトロニクスだけではない。Ancient MethodsやClaudio PRCらがその欲を満たしてくれる一方で、ロシアのPhurpaによる呪文のような喉歌や、PAN所属のMohammedによるドローン的なストリングスを聴くことができる。そしてActressやLee Gambleが、変形ダンスフロアサウンドを披露するだろう。更には、活動再開したドラムンベースのマスターSource DirectがBPMを140以上に上げる。 ナイスなハウスグルーヴを感じたくなったら、Virginiaがカバーしてくれるはずだ。
RA Pick: Unit Moebiusによるディープで奇妙なハードコアハウス/テクノは、かなり精神的にやられそうだ。

05. Snowbombing
4月3日 - 4月8日
複数のヴェニュー
マイヤーホーフェン、オーストリア
2016年は様々な形態でフェスティバルが開催されるが、結局全ての根本は、最高に楽しいパーティーを実現するという1つのテーマがある。このシンプルなアイディアは、過去16年間ずっとSnowbomingが掲げ続けてきたことだ。彼らはオーストリア・マイヤーホーフェンのスキーリゾートを、1週間に渡る長いパーティーへと変化させる。山頂エリアにはかまくら状のダンスフロアが作られ、山麓ではスキーパーティーが繰り広げられる。しかし、狂乱の騒ぎと見せかけながら、Snowbombingは音楽に対して超真剣だ。今年のラインナップには、Jamie Jones、Sven Väth、Skepta、Marcel Dettmannらが名を連ねている。
RA Pick: ソウルフルハウスのドンKerri Chandlerほどグッドヴァイブスを生むのに長けているDJは数少ない。

04. Rewire Festival
4月1日 - 4月3日
複数のヴェニュー
デン・ハーグ、オランダ
Rewireは、エレクトロニックミュージックの最前線に立つフェスティバルとして、インディー、エクスペリメンタル、ネオ・クラシックをはじめとする数多くのジャンルを取り入れている。Lutherse Kerk(ルター派の教会)やElectriciteitsfabriek(発電所跡地)のような型破りなチョイスを含む、デン・ハーグの街の様々なヴェニューで3日間に渡り繰り広げられるイベントは、バラエティ豊かでカッティングエッジなサウンドを紹介するだけではなく、数々のスペシャルパフォーマンスや、その日限りのコラボレーションなどが行なわれる。今年はXiu Xiuが『Twin Peaks』の楽曲を演奏するほか、VesselはBlack Rain、Pete Swansonとタッグを組み、James HoldenはアフリカのグナワミュージシャンMaalem Houssam Guiniaをフィーチャーしたライブを披露する。更に、Ben UFO、Lena Willikens、Dean Blunt、Animal Collectiveといった面々の出演が決定している。
RA Pick: Mica LeviとStargazeが、2013年のSF映画『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』の、美しくも恐怖を煽るようなサウンドトラックを演奏する。

03. Rainbow Disco Club
4月29日 - 5月1日
東伊豆クロスカントリーコース
静岡県、日本
2010年のスタート以来、東京湾岸にて開催されてきたRainbow Disco Clubは、昨年そのホームを都心から2時間半ほどの場所にある伊豆半島へと移した。東京湾一帯の景色は見られなくなったものの、彼らは新たにレイドバックな雰囲気を手に入れたようだ。2015年、参加者は音楽と太陽を存分に浴び、会場の広々とした芝生や付近にある温泉を楽しんだ。Rainbow Disco Clubは毎年、決して組数は多くないものの素晴らしいラインナップを揃えている。今年は昨年のハイライトでもあったRush Hour Allstarsが、主宰のAntal、San Proper、Hunee、そして日本のSoichi Teradaという少し違ったフォーメーションでカムバックする。
RA Pick: ローカルの注目を最も集めているのがAndrew Weatherallだが、それも最もな話だ。UKのレジェンドが日本国内でプレイする、レアな機会なのだから。

02. Time Warp
4月2日
Maimarkthalle
マンハイム、ドイツ
ヨーロッパ中の何千、何万人ものテクノファンは、4月の第1週目と言えばたった1つのことしか思い浮かばないだろう。そう、Time Warpだ。このマンハイムの巨大フェスティバルは、会場、サウンド、照明といった基本的なことに関して秀でているのだが、1番の魅力は何と言っても、ダンスミュージックにおけるトップクラスのパフォーマーたちが大集合したラインナップだ。もしあなたがSven VäthやSeth Troxler、あるいはDixonであったなら、Time Warpはあなたの同業者たちに会える場所であり、2万人の観客の前でプレイできる場所なのだ。今年は前述の3人全員が出演するほか、Laurent Garnier、Loco Dice、Ricardo Villalobos、Richie Hawtin、Carl Coxといった錚々たるメンツがラインナップされている。
RA Pick: Time Warpへの初出演は、どんなDJにとっても重大な出来事だ。ということで、Apolloniaの超スペシャルなプレイに期待しよう。

01. Sunwaves
4月28日 - 5月1日
Sunwaves Beach
ママイア、ルーマニア
Sunwaves以上に、1つのシーンの発展に必要不可欠であったフェスティバルは、他にあっただろうか。このルーマニアのパーティーに参加した人は、非常にクリアなサウンドと、DJたちによるロングセット、そしてアフターパーティー(とアフター・アフターパーティー)を体験することができる。これら全ては、Sunwavesが育て上げてきたルーマニアのハウスとテクノの豊かなランドスケープがあるからこそ実現するのだ。Rhadoo、Raresh、そしてPetre Inspirescuら地元のヒーローたちがブースで本領を発揮し、国外からのゲスト(Ricardo Villalobos、Zip、Sonja Moonear)は、より変わった音楽を聴かせてくれと言うオープンマインドなクラウドたちから王様のような扱いを受ける。黒海沿岸の美しいビーチで繰り広げられるSunwavesは、全てのミニマルハウス/テクノファンが一度は訪れるべき巡礼地である。
RA Pick: ミニマルファンで溢れ返ったテントでプレイするRicardo Villalobosには、文句のつけようがない。