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Playing favourites: Kenji Takimi

  • Playing favourites: Kenji Takimi

    RAと、日本で最も尊敬を集めるセレクターの1人との対談。

    日本でハウスとディスコについて聞いてみれば、Kenji Takimiの名前が出てくるのにそう時間はかからないだろう。そう言い切れる様々な理由の一つに、オルタナティブな日本の音楽シーンの中でも先陣を切る彼のレーベル、Crue-L Recordsが挙げられる。90年代初頭に始動したこのレーベルは、CorneliusやBuffalo Daughterといったアクトをはじめ、ダンスミュージック界のお気に入りであるTheo ParrishやDJ Harveyのリミックスを世に送りだし、またKenji Takimi自身の作品を発表してきたホームだ。彼のプロジェクトには、Crue-l Grand Orchestra、Luger-Ego、そして「Love House of Love」で昨年注目されたBeing Boringsが含まれている。(レーベルの最新コレクションは『Crue-L Café』から聴く事ができる。)

    一方で、DJとしての彼のキャリアは、クロアチアのElectric Elephantといったフェスティバルへの出演をはじめ、Beats In Spaceでのゲストミックスまで世界的な規模に及ぶ。今回、私たちは彼のスタジオにうかがい、長い音楽人生において、リリース当時に出会い、今でも周期的にプレイしている8曲について話を聞いた。


    Alien Sex Fiend
    Ignore the Machine (Special Electrode Mix)
    1985


    自分にとって、ニューウェイヴ期の一枚を挙げるとするなら、このレコードだね。オリジナルは1983年リリースなんだけど、このリミックスはその2年後のリリース。Alien Sex Fiend自体、リズム・マシーンにキーボード、ヴォーカル、その他の楽器っていう特殊な編成のバンドだったんだけど、Latin Rascalsようなテープ・エディットをやってるSanny Xのエディットが音楽的にかなりメチャクチャで、ニューウェイヴのダンス・ミュージックとしては相当面白い。さすがに今はなかなかプレイ出来ないけど、たまに聴くとすごいなって思う。だって、アシッド・ハウスもエディットもハウスもエレクトロも、あらゆる要素がこのレコードに入ってるし、テープ・エディットらしいこういう荒さがあるからこそ、自分にとっては重要だったというか。このレコードは自分の音楽人生の一面にかなり影響を及ぼしてる気がするね。

    どんな影響なんですか?

    このタイトルとか(笑)。



    Brilliant
    The End of the World
    1986


    BrilliantはYouthとBen Watkins、つまり、元Killing Jokeと後のJuno Reactorが一緒にいたグループ。メジャーに移ってからは後にTHE KLFを結成するJimmy Cautyが参加していましたね。

    初期に出た作品がギリシャ神話やダンテ『神曲』をイメージさせるジャケットだったのに、いきなりロゴだけのジャケットになったり、ポップなアートワークになったことがよく分からなくて、逆に興味をそそられて彼らのレコードは全部買ってた。当時、音楽的にはニューウェイヴ・ファンクと呼ばれていて、踊れるか踊れないかといえば、正直言って、踊れないよね(笑)。

    Brilliantがリリースした数多くの作品のなかで、この曲を選んだ理由は?

    2000年以降、歌詞の意味がかなり変わって聞こえるようになったことで、パーティーの明け方にまたプレイするようになったんだよね。この曲自体はダサいカントリーのカヴァーだし、プロデュースはStock, Aitken & Watermanだったりすることを含めて奇跡的なレコードだと思う。だって、この4年後にJimmy CautyはTHE KLFの『Chill Out』をリリースすることになるわけだからね。Ben WatkinsはJuno Reactorだし、ある意味スーパーグループだったという。本人たちは今、このレコードというか、ジャケットを見たくないって思うだろうけど(笑)今でもカッコいいと思うな。当時の『The Face』や『i-D』みたいな、パンク以降レイブ以前のUKニューウェイヴの華やかな夜遊び感というか、ファッションには惹かれていたんだよね。



    Charles B
    Lack of Love
    1988


    今だともはやアシッド・ハウス古典になるのかな。「Lack of Love」が出た1988年より少し前に『The House Sound Of Chicago』というコンピレーションでハウス・ミュージックを初めて聴いて、まず初めに思ったのは「ああ、これは歌が入ってないAlien Sex Fiendだな」っていうこと(笑)。あと、この時期、Fine Young Cannibalsが2 Men A Drum Machine And Trumpet名義で出したシングル、それからStyle Councilが「Promised Land」、Blow Monkeysが「Choice?」でハウスをやってたけど、「ハウスはソウル・ミュージックとしても捉えられるのか」と思ったことで、ハウス・ミュージックとの距離感が縮まったんだよね。

    「Lack of Love」の場合は、ヴォーカル・チューンであり、アシッド・ハウス・トラックでもあります。

    あと、この曲もベースラインがいいから、自分のなかでずっと残ってるのかもしれないね。もちろん、Mr. Fingersの「Can You Feel It?」が古典であることはよく分かるんだけど、自分のなかでは当時からキング牧師の演説が入ってるヴァージョンの印象が強すぎるというか、メッセージ性が強すぎるんだよね。この12inchはUK盤という事もあって何となく引っかかるものを感じてたのかな。それにしても「Lack of Love」のベースラインはいつ聴いても理屈抜きに最高だね。ダンス・ミュージックのベースラインとしては最高のうちのひとつじゃないかな。



    My Bloody Valentine
    Glider EP Remixes
    1990


    「To Here Knows When」を挙げようかとも思ったんだけど、ダンス・ミュージックとしてはAndrew Weatherallリミックスの方がいいかなと思ってこっちに。今のWeatherallももちろんのこと、当時の彼の何が凄かったかというと、色々あると思うけど、自分としては同時期に出たレコードをすぐにサンプリングしてブレンドしているところ(笑)。このリミックスもWestbamの「Alarm Clock」をそのまま使ってるし、The Gridの「Floatation (Sonic Swing Mix」も、The Stone Rosesの「Waterfall」も出たすぐ直後にサンプリングして人のRemixに使ってるっていう、ワイルドさとラフさいうか、テキトーさには衝撃を受けたね。DJミュージックの真髄があるっていう。



    Black Cock
    On the Nest
    1994


    My Bloody ValentineからDJ HarveyのBlack Cockまで、その間の4年間で音楽的に大きく振り切れていますけど、その間の変遷というのは?

    セカンド・サマー・オブ・ラヴ以降、91、2年頃はよりハイテンションにトランスやテクノ、プログレッシヴ・ハウスに向かっていく層とそうじゃない層に日本でははっきり分かれていって。当時の自分は、そういう流れを理解しつつ、ダンス・ミュージックの新譜を買いながら、ソウルやジャズの中古レコードだったり、イギリスの中古レコード屋の膨大なストックを前に、「自分の知らないレコードがこんなにあるんだ!」っていう衝撃を受けて絶望しつつ、過去のレコードをこれまで以上に掘るようになるんだよね。Gat DecorとLamont Dozierに同等の衝撃を受けてる時期っていう。

    では、Black Cockのどういった部分に惹かれたんですか?

    Black Cockのファースト・リリース「Disco Adjustments」は、いわゆるディスコ・エディットとしての格好良さは分かったんだけど、セカンド・リリースの「On The Nest E.P.」のごちゃ混ぜ具合の揺れというか、よれ具合に凄い惹かれた。パーカッションだけのトラックやディスコ・エディット、Kikrokosの「Life Is A Jungle」をエディットした「Vinegar Stroke」はそのオリジナルが分からなかったから、アシッド・ハウスみたいだなって思ったし。そういう全くタイプの違う4曲が1枚に入ってる意味の分からなさとエディットのラフさに惹かれたんだよね。

    当時、Harveyの存在は知らなかったわけですよね?

    来日はしてたから、名前は知ってたけど、HarveyとBlack Cockは結びついていなかったね。自分がやってるCrue-l Grand OrchestraのリミックスをBlack Cockの人に頼みたいなと思って、95年に紹介してもらったらそれがHarveyだったんだよ。

    その成果がCrue-L Grand Orchestraの96年のアルバム『The Remixes』に収録されている「Time Moves On」のHarveyリミックスなんですね。

    Black Cockのラフなエディット的プロダクションを想定していたら、それを超えて、ちゃんとしたリミックスになっていたんだよね(笑)。当時の彼はエディットではない、オリジナルのプロダクションを試行錯誤していた時期だったと思うんだけど、リミックスのオファーをしたのがその時期に重なったことで、彼自身はリミックスをやってみようと思ったんじゃないかな。

    現在に至るまで、彼とは長い付き合いになりますが、どういう部分に共感を覚えますか?

    Weatherallと同じく、普通のダンス・ミュージックDJじゃないことは作っている音やDJから分かるし、後、いいDJの条件って、昔の音楽を新しく聴かせられるとか、「これはないだろう」っていうださかったりいまいちだったりする音楽をかっこ良く聴かせられるっていうのがあると思うんだけど、そういうところにずっと惹きつけられているんだろうね。そう意味で彼はメンターでしょ。彼が住んでたカムデンの家に初めて遊びに行ったのは96年だったと思うんだけど、機材部屋の一番手前にDeep PurpleとLed Zeppelinのレコードが出ていて、そこで初めて、「ああ、なるほどね!」って理解出来た。自分もダンス・ミュージックと出会う以前に色んな音楽を聴いてきて、それをハウス・ミュージックのBPMと小節という枠の中に入れているんだけど、そういう音楽の捉え方をしている人は世界中にいるんだなってその時思ったよ。



    Sound Stream
    Motion
    1999


    Sound Streamは、Black Cock以降のエディット・レコードとしては自分の中では衝撃的かつDJユースフルでずっとレコードバッグの中に何かしら入ってる。カットの仕方、音のキレとタメ、ズレと揺れ、あとはDJツールとしての機能性という意味で、このレコードはかなり最高だね。そして、Sound Streamの登場は、のちのドイツでTiger & WoodsとかHouse Mannequinにつながっていった気がする。

    ご自身でも変名でエディットを作っていますが、理想的なエディットというのは?

    基本的には知られていない曲を発掘して、なおかつ、DJユースにしたもの。あとは音質を変えるということではなく、音の座標軸をズラして新しいものにするということだね。ゾーン設定を違うものにするというか。それはエディットだけではなく、DJにもプロダクションにもいえる事だけど。

    2000年以降、エディットのリリースがあふれかえってる現状がありますよね。

    作るのが簡単だからなんだろうけど、もはやエディットではなく、勝手なリミックスと言えるくらい手の込んだものも多いし、これやんなくてもいいだろうっていうイージーなのが多いのも現状だよね。でも、ぱっと聴けば、その人がどういう気持ちで作っているのか分かるしさ、そのことを踏まえた上でいいなと思うレコードは多くないよね。曲のチョイスよりもプロダクションの面白さに比重が置かれているTiger & Woodsみたいに、曲のチョイスの素晴らしさかプロダクションの面白さのどちらかに振り切れていれば、それはそれでいいんじゃないかとは思うけど。



    Doctor Rockit
    Café de Flore
    2000


    自分にとって、フランス音楽の醸し出すイメージにはどうしても惹きつけられるものがあって、イメージとしてのフランス感というか、それをダンス・ミュージックのフォーマットに当てはめた曲として、この「Cafe de Flore」のタイムレス感はスゴいな、と。Remixも素晴らしいし。90年代初期に自分のレーベルのレコーディングでフランスによく行ってた時期があって、その時にジャケットだけで当てずっぽうに買ったレコードが山のようにあって。そのなかに埋もれている曲を、ここ数年自宅内発掘してよくプレイしているんだけど、コード進行とかメロディの展開の仕方、コーラスの乗せ方なんかにフランスっぽさというのが明らかにあるんだよね。

    音楽には避けようがなく国民性にじみ出てしまうものですよね。

    あと、ソウル・ミュージックにもいえることなんだけど、一流のミュージシャンを使って贅沢に録音したいい時代の音楽が沢山残されていて、フランス映画のサントラとか60、70年代のフランス人作曲家が作った音楽は本当にスゴいのが多いよ。ただ、ここで、Francois de Roubaixを挙げてもしょうがないから、自分が考えるFrancois de Roubaix的な要素が入ってるダンス・ミュージックとして、この曲を挙げたんだよね。

    このレコードは実際にパリの「Cafe de Flore」のフィールド・レコーディング音がミックスされていますよね。

    そうだね。実際に店にも行ったことがあるけど、彼自身、そういうパリに対する幻想を作品に込めているというか、店の存在とムードがきっちり作品に反映されていることはよく分かるね。



    Ron Basejam
    For the People, By the People
    2005


    そして、最後の一枚はCrazy Pの一員でもあるJames Baronのソロ・プロジェクト、その最初のシングルですね。

    Mark Eをはじめとして、ここ最近、ミドル・テンポのブギー・トラックが数多くリリースされているけど、自分のなかでは、このレコードがその元祖なんじゃないかなと思ってる。そして、このトラックはメッセージもいいし、明け方にかける時、ちょっとテンポを落としたまま、気持ち良さを持続出来るという意味でも最高なんだよね。自分のなかでは一時期プレイしたレコードが5年くらい経つと、また戻ってくる感じなんだけど、この曲は今またプレイするようになってるね。

    DJを始めて、今年で24年目。その間、買い続け、プレイしてきたレコードが周期的に自分のなかでリヴァイヴァルしているわけですね。

    さらに言えば、DJを始める以前に買ってたレコード、そしてDJを続けながらも、プレイする目的じゃなく聴いてきたレコードが今考えると自分にとっては重要なんだなと思うね。DJはプレイ出来るか出来ないかというところでレコードを判断しがちだと思うんだけど、ダンス・ミュージック以前に音楽として楽しむ聴き方も自分の中にはあって、ダンス・ミュージックじゃない音楽をダンス・ミュージックの枠にハメていくアプローチに面白さを見出している自分は常にいるね。

    それから今の時代はヒット曲をいかにタイミングよく格好良くプレイするかっていうことがメジャー・フィールドのDJにとって必要なスキルになってると思うんだけど、人が発見していないものをプレイすることに面白みを見出している自分もやはり常にいて、そのバランスを取るのが難しい時代だということを結構思うな。あと、DJにはプレイを通じて模様っぽい空間を作るDJと絵を描くDJがいて、2000年代以降、ミニマルとかプログレッシヴ・ハウスも含めて、模様っぽい空間を作るDJが主流になっている中、自分の場合、やっぱり絵を描くようなプレイの方が合っている気がする。

    人が発見していないものをプレイするという意味において、Discogsに代表されるインターネット上のアーカイヴはポジティヴな面ももちろんありますが、同時に全てが白日のもとにさらされてしまうことで、自分なりにレコードを掘る楽しみが削がれてしまう側面もあります。

    そうだね。ネットでちょっと調べると、ずらっと作品リストが出て来たり、勝手におすすめしてくれるけど、自分の場合、それを全部聴きたいとは思わないし、自分が偶然出会ったり知ってる範囲でいいと思うな。

    機械に教えてもらいすぎるのもどうかなと。ただ、音楽のアーカイヴ化によって、人が発見していないものをプレイすることはどんどん難しくなっている反面、絶対にアーカイヴ化されない領域がまだまだ残っているようにも思うし、その領域は、よく知ってる人がアーカイヴ化を避けようとしている意図を感じる。そして、そのアーカイヴ化されていない領域には確実にスゴい音楽がまだまだ沢山眠っているんだよ。ネタは自分の足とコネで見つけましょうってね。
    • 文 /
      Yu Onoda
    • 掲載日 /
      Thu, 19 Apr 2012
    • 翻訳 /
      Sophie Knight
    • Photo credits /
      Naoko Maeda
    • Also available in /
      English
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