- 「Future Life」を特徴付けているのは鋭い差異だ。東京を拠点に活動するRyota Arai(aka Ryota OPP)は、狡猾なファンクを基調にしたハウストラックを構築しているが、彼のディスコの影響を取り入れた分厚いベースライン上では、もうひとつの世界が同時進行している。例えば、"Zombie Boogie"におけるローエンドのスタブの脇ではレーザーが発射されており、"Sweet Claim"における機関車のようなビート上には赤ん坊の鳴き声と呪文を唱える幽かな声が漂っている。
Araiが鳴らす奇妙なトップノートがオーソドックスなリズムと合流する様は、鬼気迫るものがあり、惹き込まれる。例えば"Sweet Claim"では、全く異なり合うの素材同士がジグソーパズルのようにひとつのグルーヴへと忙しなく組み合わされている。他のトラックはさらに素晴らしく、"Rain Jazz"では、流れ込むようなラテンピアノや、内部をくり抜いたような空洞ベース、そして、不気味なシンセを軽めのビートにしっかりと結び付け、テンションとコントラストによる一徹した表現を実現している。それ以外のトラックで唯一心地よい瞬間を提供しているのは、一定したリズムを刻むパルス音だ。"Fluid"では、Café Del Mar的まどろみから、軽いパニック状態へと変化していく。Araiによる最も巧妙なアレンジの中、唸りを上げるパーカッションがリスナーを導いている。
TracklistA1 Zombie Boogie
A2 Fluid
B1 Rain Jazz
B2 Sweet Claim
B3 Ebola Attack