- Eskimo TwinsのメンバーTimothy Clerkinは、この2年間、Heretic名義のもと、アシッドに系統した空間的なサウンドを展開してきた。彼がNeinに提供したEPは、傑作リミックスを収録していることもあり、これまでで最も印象的なHereticのリリースになるかもしれない。"Pollux"のオリジナルバージョンでは、重心低めの序盤から、鋭く切り立った巨大なシンセコードと上昇していくパッドを伴ったパワー全開のトラックへとゆっくりと構築されていく。どこを取っても十分に肉付きが良くファンキーで親しみやすい。
Andrew Weatherallは2曲のリミックスを担当している(その内1曲は12インチ限定)。共通リミックスバージョンはじっとりとした酩酊系トラックに仕上がっており、ギターのようなパッドがパーカッシブな反響音上を不安定に漂っている。12インチ限定の"Japanese Import Mix"では、Peter Hook風の輝きを放つベースラインを用いてさらに濃密な空間が作られている。
本作のベストトラックは序盤に収められているものの、Hardway Brosによる躍動感のある至福のトラック"Boccaccio Remix"も負けてはいない。Antoni Maiovviのリミックスは悪いところはほとんど無いのだが、ベースのアルペジオやボーカルの断片、そして、水中にいるかのようなエフェクトが混ざり合う様は、少し一辺倒な印象だ。一方、Front de Cadeauxのリミックスでは、パーカッションに焦点が当てられている。隙間を大きく取ったアレンジが際立っているが、他曲のような衝撃や雰囲気に欠けている。
Tracklist01. Pollux
02. Pollux (Andrew Weatherall Remix)
03. Pollux (Hardway Bros Boccaccio Remix)
04. Pollux (Antoni Maiovvi Decent To Hell Remix)
05. Pollux (Front De Cadeaux Remix)
Vinyl Only: Pollux (Andrew Weatherall Japanese Import Mix)