- '00年代中盤頃にダブトロニカという呼び名が廃れていき、そのジャンルを決定づけたアルバム『Satta』とともにBoozoo Bajouもまた表舞台のスポットライトから消えていった。それ以降も、Peter HeiderとFlorian Seyberthの2人はBoozoo Bajouとしてのリリースを!K7やStereo Deluxeから続けていたが、2010年頃に一旦活動を停止している。
昨今レトロなエレクトロニカ・サウンドへととみに傾倒しているApolloからBoozoo Bajouの新作がリリースされることはちょっとした驚きだ。このニュルンベルク出身のデュオはこれまでもダウンテンポを軸にしたシネマティックなサウンドを得意としてきたが、今作のタイトルトラックおよび"Stufen-Spitzbergen"でのインストゥルメンタルのレイヤーには細心の注意が払われているようだ。"Kodiak"はどこか愛嬌に欠けていて、彼らのセカンドアルバム『Dust My Broom』での気取ったムードを思い起こさせる。しかし、"Stronsay"ではすぐに穏やかさを取り戻し、Heiderのジャズ的なルーツがかつてないほど前面に押し出されている。15年前とほとんど変わっていないサウンドと言ってしまえば身も蓋もないが、彼らのようなヴェテランがしっかりとベストを出し尽くしているのは好ましいことだ。
Tracklist A1 Jan Mayen
A2 Kodiak
B1 Stufen-Spitzbergen
B2 Stronsay