Radiohead - the king of limbs part 3

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  • Radioheadのゲリラ的なマーケット戦略はいつだって話題をさらっているが、彼らの音楽がいまも一定の尊敬を勝ち得ている理由はやはり彼らが創り出す音楽そのものの素晴らしさにほかならない。ここに紹介するのは彼らの最新アルバムからの一連のリミックス・カットとなる1枚だが、こちらも文句の付けようが無い仕上がりとなっている。Loneは実にLoneらしいと言うほか無いサウンドに仕立てているし、Four TetはまさにFour Tetの王道スタイルというべき仕上がりだ。またPearson SoundはThom Yorkeのヴォーカルを自在にカットアップして彼らしい808ドラムキットと絡めている。 しかもこれらのリミックスヴァージョンすべてにおいてちょっとした驚きが潜んでいるところが実に興味深いところ。Loneはありきたりなハウス・ビートの替わりにカオティックなダンスホール・リズムを援用して彼らしい乾いたメロディ感覚をより際立たせている。Four Tetは彼が以前リリースした『Everything Ecstatic』期を彷彿させるがちゃがちゃとした響きのパーカッションを絡め、"Atoms for Peace"のリミックスで披露したようなくっきりとしたヴォーカル処理を施しつつ後半のヘヴィーなベースが絡む展開へと持っていく。Pearson SoundことDavid Kennedyはいつも予測不可能な驚きを提供してくれるが、今回もまた例外ではない。性急なんだけど、ちゃんと軽さと空間性が同居してる。ヴァイナルはすでに入手困難となっているようだが、今回も彼らのウェブサイト上でフリー・ストリーミングというかたちで配信されるはずだ。もちろん、そうするだけの価値がある音楽であることはまちがいない。
  • Tracklist
      01. Feral (Lone Remix) 02. Morning Mr Magpie (Pearson Sound Scavenger Remix) 03. Separator (Four Tet Remix)
RA