De School opening in Amsterdam

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  • 2016年の最初の数日間で、アムステルダムのクラビングシーンにはいくつかの大きな変化が起きた。Studio 80が、サプライズゲストとしてLegoweltとDJ Sprinklesを迎えたクロージングパーティーを開催し、その後1月3日(日)には、1年前に閉店したTrouwの跡を継ぐDe Schoolが正式にオープンした。後者については、Trouwと同じ運営チームが新たな場所で再出発するということで、当然のことながらオープン前からオランダのパーティーピープルの間で話題の的となり、ヴェニュー側は数日間のうちに、今後開催を予定しているほぼ全てのイベントの前売りチケットを販売開始した。地元民である筆者は、De Schoolがこの大きな期待にしっかりと応えてくれるのかどうか、興味津々だった。 ヴェニューに到着した際、筆者はまず建物の壮大さを感じ取った。窓から自然光が差し込むメインホールは、広々としたクロークを擁している。クラブルームへ移動するのに少々時間がかかってしまったのだが、その理由は、筆者がこの'70年代の建築物を、隅から隅までくまなくチェックしたかったからだ。上階には、トイレや喫煙エリア、そして美しい庭などが配置されていた。 スチールでできた2本の階段が、クラウドをクラブフロアへと誘う。低い天井とコンクリートの柱は、かつてのTrouwの下の階にあったフロア、De Verdiepingを不気味なほど思い起こさせた。クラウドの真ん中に位置していた、あの象徴的なメインルームのDJブースもまた復活していたのだが、この日筆者が最も注目したのはサウンドシステムであった。筆者は以前Trouwのサウンドエンジニアに、Funktion-Oneは最大出力の50から70%のボリュームの時に最大の威力を発揮する、その為に数台のスピーカーを設置することが望ましいのだという話を聞いたことがある。De Schoolのクルーは、Trouwの全サウンドシステム(6台のFunktion-Oneとサブスピーカー)を、この新しく、以前よりも小さなスペースに移した。結果として、驚嘆させられるほどベースの効いた、完ぺきなリスニング・エクスペリエンスが実現されたのだ。 当初De Schoolは、オープニングパーティーのラインナップをシークレットとしていたが、すぐにJob Jobseがオープン、Jennifer Cardiniがクローズを務めることが明らかとなった。 Trouwと強い関係で繋がっていたJobseの出演は、誰もが予想し得たことだ。この日の彼のセットは、筆者が今までに聴いた彼のどのプレイよりも幅広く、The Art Of Noiseの"Moments Of Love"から始まり、その後'80年代、'90年代にかけてのあらゆるスタイルのクラブミュージックを繰り広げた。午前2時に交代したCardiniもまた、素晴らしい5時間セットをプレイ。最後はMetro Areaの"Miura"で締めくくった。 筆者はいずれのセットも楽しんだのだが、オープニングパーティーにおいて1番大事なのは音楽ではなく、フィーリングや、クリエイティブなエナジーの新たな波なのではないだろうか。周りにいたクラウドが、新しいお気に入りのスポットを見つけよう、クラブの中のユニークで変わった部分を見つけようと、あちこちを歩き回っていたのが面白かった。レイアウトや内装は新鮮そのものであったし、まだ作業が完了していなさそうな部分もあったものの、まるでそこがもっと前にオープンしており、慣れ親しんだクラブであるかのような、妙な気分になった。この日はフル稼働していなかったが、筆者はあのスペースに大きな可能性を感じた。同ヴェニューの様々な部分(クラブスペースのほかにはジム、レストラン、カフェ、ギャラリー、コンサートスペースなどが存在する)をバランス良く運営することができれば、De Schoolはきっと素晴らしい発展を遂げるだろう。 Photo credit: Martijn Savenije
RA